じゃない方の話

iK

いや結局、あんたもかい!!!


―「本と花」は2人とも普通にモテるのに?

 それでも“じゃない方芸人”になるん、か?


 そうなんですよ。ご存知の通り、我々、女

2人でコンビ芸人させてもらってて。今日は私

1人ですけど。幸か不幸か、芸人としては前代

未聞の「ブス」が不在のコンビでして。

 ゆえに、相方の本郷がめっちゃ綺麗な方、

私花井は、めっちゃ綺麗“じゃない方”という

コンセプトでさせてもらってまして。

 今回はその、じゃない方の私の話なんです。


【本と花の“じゃない方”、花井の恋バナ】


 私はスポーツ観戦が好きで、相方の本郷は自作でパソコン組み立てるレベルのガチゲーマーなのは、その界隈ではありがたいことに認知していただけてて。

 で、加えて2人ともシンプルにモテるんで、その界隈きっかけの彼氏もいるんですね。


【メモ① 本と花は、コンビ揃ってリア充】


 で、こないだ、私が彼氏と2人で、居酒屋で飲んだんです。

 で、私の彼氏が結構周りの異性の目を気にするというか、嫉妬しやすいんです。


【メモ② 花井の彼氏は嫉妬しがち】


 だからお店の席も壁側とか個室が多くて。

そこまでは捉え方の問題なんで、大事に思ってくれて嬉しいなとも思うんですよ。

 で、その日も半個室の席で、ええ感じに酔い

も回ってくるわけです。そしたら、彼氏がトイレで席を離れた直後に、机にスマホを置いて行ったことに気付いて。


【メモ③ 彼氏がスマホを置いて席を離れた】


―ああ、あかんあかん。そんなん見ても

 絶対ええことないやつやん。


 そうなんですよ!正直、私も本郷も相手の

スマホに一切興味無いんです。冗談抜きで。


―えええ?!そんなことある?!


【メモ④ 本と花は彼氏のスマホに無関心】


 言うて2人とも、人並みにはモテるんで。


【メモ⑤ 本と花、自己肯定感高め】


―でも続きがあるんやな。


 はい。で、タイミング悪く、その置き去り

にされたスマホに電話がかかってきて、画面

が見えてまうわけですよ。誰からかかってきたんか。で、相手は彼氏の弟さんやって。


―ああ、良かった。本郷やったらどう反応

 したらええんかとヒヤヒヤしたわ。


 あ、それは無理なんですよ。


―え?


 私ら2人とも、お互いの彼氏と会った事ない

んですよ。


―え?!え、嫉妬するから?Wデートとか

 しよう!ってならへんの?!


【メモ⑥ 本と花、双方の恋人と面識ナシ】


 無いです無いです。

 一般の人ですし、私らもそれぞれ不規則

で、まず予定が合わないのと、あと、好きな

ものと苦手なものがテレコになりがちで。


―あー!!そしたら必然なんやな。

 ほう、ほんで?


 そう。あ、弟から電話きてるわ、と。

 で、彼氏が帰って来てさっき電話来てたで、

って伝えるやないですか。ほしたらね「え、弟やん。出てくれて良かったのに」って言わ

れたんですよ。


―んー!まあまあまあ。そのまず、スマホを

 見て良い段階、んで弟さんとの距離感もあ

 るけどな?!問題ないんやったら、それで

 ええわと、俺もなるやろな。


 ですよね、そうですよね?つまりですよ?

まず、「あんたのスマホを触って良いかどうか問題」があったわけです。だから聞いたんですよ、あんたのスマホを勝手に見ていいんか?と。

 そしたら、「え?!逆に見たことなかったん?!」って、なぜか逆に引かれたんです。


―あー!だからもう、見てるもんや思ってた

 んや、彼氏の方が。


 そうなんですよ。でもまあまあぶっ飛んで

るじゃないですか、この倫理観って。

なんせ昭和レトロ、平成ポップ、コンプラ令和

ですよ。ましてやこれ、顔認証とか指紋認証

やったら意味無いわけですし。


【メモ⑦ 花井カップル、謎のドン引き】


 で、単刀直入に確認しますよね。ちょっと待ってと。私はあんたのスマホを操作したことないから、ロックの解除も知らんで、と。


―もうそうなるっていうか、そう返すしか

 ないやろうな。


 まさに!そうやったんです!正直、そんな

貪るほど興味無いけど、お酒も入ってるし、

向こうが犬系の性格なのも分かってるんで、

下手に雑な対応したら後が面倒やと思って。

 で、相手も、あ、じゃあお互いに教えよう

ってなって。でも正直、彼氏も彼氏で、実際

そこまで興味無いと思うんですけどね。


―え?!嫉妬するんやろ?!


 2人でおる時は、なんですよ。仕事柄の付き

合いはあっても、私がメディアに出てる以上

私自身が変なことできへんの知ってるんで。


―おうおう、なんかもう、よお分からんこと

 なってるやん。興味無い物教え合ったん?


【メモ⑧ お酒の勢いで需要薄めの共有事項】


 ほんまにそうでした。で、こっからですよ

問題は。

 私はですよ?私は、相方の本郷がシンプル

に親友として大好きで、自分のスマホのパス

コードも、本郷の誕生日にしてるんです。


―ええええええ?!


 今はどうか分からんのですけど、当時は本郷

もそうだったみたいなんです。よく驚かれるんですけど、ほんまのことで。

 本郷は私の誕生日、平成9年7月22日で、090722、私は本郷の誕生日、平成9年7月5日

なんで、090705にしてたんです。


―えげつない絆やな、信じられへんわ。

 時代やなぁ。


 ほんでですよ。いざ彼氏とお互いに教え合

うとなって、彼氏から先に教えてくれたわけ

なんですけど。

 私とまっっったく同じやったんですよ。


― ・・・・・・え?!


 だから、私の彼氏のパスコードが、相方・

本郷の誕生日090705やったんですよ。


―うわーーーーーー。


 どうです?まあまあ絶妙なサメトーーク。

でしょう?


―これはいろんな意味で興醒めや。ていうか

 彼氏もちょっとよお分からんとこない?


 そうでしょう?そのあと、なんて言ったと

思います?

 「いや、親指一本で押しやすいだけやん」

ですよ。もう私、目点になって。


―こわぁ!!!えええ?!


 でもね、良くも悪くもやっぱり芸人の頭はこういう瞬間に働くんですよね。そこで自分の口からついて出た渾身の一言が、


「いや、結局あんたもかい!!!」


―あーあーあー!そういうことな?!

 もうさすがやな。全方位への最適解を叩き

 出してるやん。


【メモ⑨ 結局あんたも

 ・(めっちゃ綺麗な方を選ぶん)かい

 ・(私と同じパスコード)かい】


 はい!というのが、本と花・花井のサメトーーク。ネタでした。




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