purple Holic様 専用 台本

春待ちの海

凪紗(なぎさ)…春が好きな女の子

櫻子(さくらこ)…海が好きな女の子

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凪紗:あれ？…櫻子さん。こんなところでどうしたんですか？

櫻子:え？凪紗さん、なんでもないですよ。ただこの絵が気になって。

凪紗:美術部の人…ですかね？

櫻子:OGの方だと思います。深い綺麗な海ですよね…

凪紗:なんだか飲み込まれそう…ですね。

櫻子:ふふふっ。凪紗さんは海は嫌いですか？

凪紗:え？そう…ですね。泳ぐの苦手なのでちょっと怖いです。

櫻子:そんな気がしました。海が苦手な方は怖いと思ってしまう程この絵は圧倒的なんでしょうね。

凪紗:櫻子さんは海が好きなんですね。

櫻子:ええ。時々何故か帰りたくなる気持ちになります。

凪紗:海に恋い焦がれる…まるで人魚姫みたいですね。

櫻子:凪紗さんは面白いですね。不思議な人。

凪紗:え？！そうですか？

櫻子:ええ。だって人魚姫は人間の王子様に恋焦がれて海から陸へと上がっていく物語でしょう？

凪紗:それも…そうですね。でも恋焦がれるって所では似てる気もします！

櫻子:なるほど…飲み込まれそうな海と吸い込まれそうな海がこの絵にはあるんでしょうね。

凪紗:怖さと憧れはどこか似てるのかもしれないですね…私にはちょっと難しいかも…あ！予鈴。櫻子さん教室に戻りましょう。

櫻子:そうですね…

凪紗:櫻子さん次の授業って数学でしたっけ？頭を使うとお腹が減ってきますよね！まだ２時限目なのに…

櫻子:ええ…凪紗さん。

あの絵のタイトルご存知ですか？

凪紗:え？

櫻子:あの絵は"春待ちの海"というタイトルなんです。春って…春ってなんの春だと思いますか？

凪紗:んー。好きな人…ですかね。

"人魚姫で言う王子様"だと思います。

櫻子:えっ…あっ！！

凪紗:わ！！櫻子さん？！大丈夫ですか？！足もつれちゃいましたか？

櫻子:えぇ。ありがとう…ございます。

凪紗:足大丈夫ですか？もういっその事本鈴諦めちゃいますか？w

櫻子:ふふふっ。大丈夫です。急ぎましょう。春はすぐそこですもんね。

凪紗:春？

―fin―