最恐の死神の正体は、ストレス発散をしていた少女でした!!

モノクロ・ノワール

第1話 プロローグ

 20XX年、世界中に異常事態が起きた。

 それは、異次元に繋がる様な穴が世界各地に幾つも現れたのだ。

 各国は幾つかの少数部隊の自衛隊を向かわせて調査をしたが、穴に入って行った者たちは戻って来なかった。

 そして、この状況をいち早く重く見たが大規模人数で調査をする事にした。

 当時、その調査に参加した者たちはまるで死刑宣告された様な気持ちになったと現在では語っている。

 結論からすると、その大規模調査の結果は八割以上の者たちが生還した。

 調査隊の報告では、穴の中は異世界の様な光景や見たこともない怪物がおり、現代兵器で主流に使われている銃などは通用せず、危険な状況だったらしいが、一人の隊員が狼の様な怪物に殺されそうになった時、怪物を押し倒し火事場の馬鹿力で首を絞めて殺めた。

 するとその瞬間、怪物を倒した隊員の体が数秒淡い光に包まれた。何も変化なども無く何が起きたのか周りの者たちは分からなかったが、しかしその隊員曰く、光に包まれた時頭の中に声が聞こえたらしい。そして何故か身体も僅かだが軽くなったとか。

 しかし、その謎は直ぐに解決した。

 まだ生き残っていた怪物が再び襲いかかって来た時、普通ならあり得ない速さと力で怪物を圧倒した。それだけでなく、手から火を放つというまるでファンタジー世界の魔法を使ったのだ。

 そして、調査隊たちの大半が気付いた。ここは物語りでいう迷宮ダンジョンだと。何故そういう結論になったのかというと、この大規模調査をしたある国———日本は、オタク文化の先進国だからだ。

 そして、調査で分かった事とは、————

 ①異次元の穴の中はファンタジー世界の様な世界があること。

 ②怪物、改めモンスターがおり通常の兵器では倒す事が出来ない。

 ③モンスターを倒すと淡い光に包まれを授かる。どの様なスキルを得るかは頭の中に響く声、改め天の声を聞くまで分からない。

 ————の三つである。


 そして、この事を各国と情報を共有した。

 結果、各国も日本と全く同じだったという。

 しかし、日本はオタク文化の先進国。その先の事までも色々と素早く調査した。

 主に迷宮で取れる資源やスキルを得た者、改めて探索者シーカーの身体能力の変化やスキルの仕組みについてだ。このお陰で、日本は小国ながら迷宮の研究や知識の先進国となった。

 しかし、他国も負けておらず、大国は数の強みを生かして調査を行った。特ににアメリカ、ロシア、中国の三カ国は早かった。

 だが、この国は迷宮についての調査は進んではいるが、どちらかと言うと探索者の強さを重要視する様になった。理由は探索者が強くなれば調査も早く進むという事で、意識が強さに傾いてしまったからである。よくある話だ。

 しかし、日本は研究を重ね、迷宮から取れる資源などは地上でも生活に活用出来る方法を確立し、その道具も作り出した。後に、その道具を作る者達の事を生産者クラフターと呼ばれる様になった。

 そして、世界各国は迷宮についての有用性を感じ、有用な技術力や迷宮についての研究成果などの情報を速やかに共有し発信する為の組織を設立した。

 それから時は経ち、迷宮が現れてから約半世紀が過ぎた。

 その期間にいろいろな制度や規制などが出来たが、現在は国によっては若い年代も小遣い稼ぎ感覚で迷宮に入れる時代となった。命の危険があるなどの批判する声もあったが、迷宮資源が今では主流であり、それは物によっては輸出をして資金を得ている為、探索者の数、特に小国では少しでも欲しい状況だ。それに探索者になると身体能力が上昇する為、災害地域では探索者は必要不可欠な存在でもある。

 長くなったが、迷宮について大まかな説明はこれ終わる。

 そして、この物語は、『死神』と呼ばれたとある一人の少女の物語だ。

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