お腹も心も満たされる、優しい物語

まるで心にふわりと舞い降りる春風のような物語でした。未知の香りに誘われて飛び立つフェリーヌの姿に、誰しもが抱く「はじめて」のときめきを重ねずにはいられません。

スパイシーなカレーの香りを、彼女の小さな鼻が追いかける様子が愛らしくて、読んでいるこちらまでお腹が空きそうでした。

異世界と人間の世界がやさしく交差する瞬間、ひと匙のカレーが心の距離を溶かしていく――そんな温かな奇跡に、そっと胸が熱くなります。

童話のような純粋さと、優しい世界観に包まれるひとときでした。