第2話異世界と繋がる
スキルによって挫折させられた女など、お荷物だという見方しかしない。
(魔法は沢山覚えてる。悪いのも良いも、のも。禁忌なんてもっと)
それを目的にした聞き取りや検査があったが、私が自分の記憶に苛まれてまともに話せないと知るや、スキル調査をする人達はこちらのことは必要ないものとみなした。
「ライちゃん、禁忌魔法使いなんて、それこそ忌み地と相性が良いのにね」
最近のダンジョンの問題だって、リーシャの記憶を聞き出せば解決出来たかもしれないのに。
(もう、どうでも良いよ)
ライラエルとスローライフをするためだけに動き出した。
ライガーと共にダンジョンで稼ぎまくり、さっくり山の中へ引きこもった。
魔法があれば山籠りなど余裕。
普通の魔法ではないリーシャの魔法をもってすれば、人に会うこともないまま過ごせるのだ。
国も感じ取っていたのだろう未知の魔法。
しかし、国はなにも聞けない。
スキル覚醒の時に国の協力を放棄する契約にサインしたから。
それは、前世スキル保持者によるマニュアルがあるとかで書かされた。
おそらく記憶を持っていることで色々虚言とかが昔にあったのではないかと思う。
それに振り回されるのは嫌だということなのだろう。
そんなことよりも、私はやりたいことがあるから、こちらも構うことなどはない。
「らいちゃん、畑に行こうか」
ライガーは伸びをしながら立ち上がる。
1メートルある体格をしならせつつ、歩き出す2人。
向かうは、今ではたわわに実っている果実や魔法の作物がある位置。
「聖魔法は便利だね」
色合い、味、見た目、属性付与、品種改良が出来る魔法。
回復などに分類される魔法だが、現代知識を持つのならば、遺伝子に関連したことが可能。
色んな種類を管理出来るのも闇魔法と空間魔法のおかげ。
ライラエルが向こうを指す。
どうやら今日はパフェの気分らしい。
うちの子が気に入った食べ物を実らせている区画に行き、ライラエルは自分で実っているパフェをもぐ。
パフェの見た目はガラスの陶器の中に入っている典型的な形をしている。
ガラスに見えるが魔法なので食べ終わったら空気に溶ける仕様。
因みに、私のお気に入りはゲーム制作樹。
誤字ではなく、木樹ゆえに機ではなく樹なのだ。
ゲームがランダムに実る。
ゲームに本体は聖魔法で直せるし、勝手に直るよう自己再生も付与済み。
ゲームは勝手に生成され、クオリティの高いものから低いものが作られている。
有名なゲームの続編風、類似、などなどもあって、本当に一生ここで過ごせる。
「にゃ、にゃ」
パフェを食べるライガーを見つつ、私もゲームを収穫する。
ライガーのライちゃんもゲームは好きだし、一緒にするのが楽しい。
複数プレイのゲームもライちゃんは普通に出来るので楽しんでいる。
「お、このタイトル。あのゲームの作品関連っぽい」
「にっ!」
見せて〜、と寄ってくるライラエルにゲームを見せる。
某スローライフゲームに似ている。
けれど、どこか違う。
これは続編に見せかけた別物かもしれない。
確かに有名ゲームも作るけど、有名ゲームのジャンルと違うものをキャラクターだけおなじままの時もある。
のんびりゲームのキャラクターに冒険をさせるとか。
シューティングゲームだったのに、ホラーとか。
映像生成をする木もあるんだけど、同じようなことをする。
おかげで、某魔法使いシリーズの続編を3作品以上見るという夢みたいなことが出来た。
続編なんて夢の夢だったのに、二次創作とはいえ、見れたのは最高だ。
おまけにキャストは生成なので映像年齢そのまま、据え置き。
いきなり成長してしまってない。
子供役が何作品後でもずっと子供の見た目で演じている。
人は強制的に成長していくから、シリーズとなって、長期になると大人になってしまう。
「ゲームしよう、ライラ」
「ぎゃうん」
元気よく返事をしたライラエルと共にゲーム機をセット。
スローライフゲームをすると、ライちゃんは凄く効率の良いやり方で次々に出されていた課題をこなしていった。
その間、地球が異世界と繋がるという未曾有の危機になっていたりしたが、私には関係ないので、のんびり山籠りを続けて、本当になんの関係もすることなく、過ごすことになる。
トラ系召喚獣とスローライフ リーシャ @reesya
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