ただいま、愛してる

ただいま、愛してる

「またね、■■■」

君は最後に何を言ったんだい？僕に愛しているって言ってくれたその唇で、どんな言葉を紡いだんだい？

「また会いたいよ」

結婚式を挙げる直前の日に、君は死んだ。

交通事故だった。路上が凍っていたが故に起こった事故だった。

僕は君に愛しているって伝えられたのかな？君は僕を愛してくれた？

僕は未だに海の底、悲しみ深い海の底

「眠りの中で思い出そう、君との思い出を」

君は体が弱かった。それでも、事故にあっても…僕と会うまで生きていた。

最後に見据えたその時に、いったい何を呟いた？

「またね、大好き」

そうだ、そうとも、そうだった、君はまたねと言っていた。だったらそれまで待ってるよ。

だから君が、会いに来て、それまで僕は待っている。

四肢は既によぼよぼで、私は既に動けない。

ベットだけのこの世界、最後の時まで君を待つ

「すみません…ここって、〇〇君の部屋ですか？」

そう呼ぶ君を見据えた時、泡が再び湧き出した。

水が溢れ出した。

「約束、守りに来た。言ったでしょ。またねって」

「あっあぁ…」

「また来たよ。大好き」

僕を呼ぶその声はあの時の君のままだった。

「お帰り〇〇愛してるよ」

「うん、ただいま、愛してる」

私は寿命を迎えてた。