真実の目 好評なら続き描きます

春木維兎 -haruki-yuito-

第1話 不思議な目と、助けてくれた女の子

「変な目…」

「気持ち悪い」

「寄らないでっ」

「ひっ」


昔からこの、薄紫の目のせいでみんなから避けられ、イジメられていた。

でも、わかっていた。

だって、この目は―――。



真実を語るから。


ジジジッ。

ノイズが脳内に鳴り響く。

目の前には《今日、運命の人が現れる》

と表示されている。

〝運命の人〟どうせ、あったとしてもみんなと同じ態度をとるんだろうな。

まあ、目が言ってるし本当なんだろうな。


「…こんにちは!よろしくね!」

………え?

今日は新学期。

高校2年生になった。

???

私に話しかけてるのかな…?

話しかけてきたのは、隣の席の女の子。

高い位置でポニーテールをしているのが特徴的。

前髪は斜めのぱっつん。

間違えたのか…?

名前は…。

《神崎維月(かんざきいつき)…?》

私の目は知りたいものはだいたい映し出される。

名前から考えていることまで。

《仲良くしないなぁ》

…!!

「…よろしく」

久しぶりに人と言葉をかわした。

「うん!よろしく」

運命の人は、女の子…?

どういうことだろ…。

仲良くできる人とか?

そんなわけないよね。だってこの目、気持ち悪いし。

「ねぇ、目見せてよ」

「はい」

ああ、仲良くしたかったのに…。

目を見た人はみんな、私から離れる。

例外なんていない。

お父さんとお母さんも気持ち悪がってる。

「きれぇ!」

綺麗…?

目が…?

初めて言われた言葉に唖然としていると。

ジジジ。

ノイズが再び響いた。

《いいなぁ…綺麗すぎ》

本音だ。

《このあと、神崎維月は省かれたり、イジメに遭う》

――っ!

やばい、まただ。

選択を間違えた。

「ごめん、話しかけないで」

目は真実を教えてくれるけど、理由までは教えてくれない。

でも、今回ばかりは理由は私。

ちらっと、変わっているのか見てみる。

《―神崎維月―》

《なんで…そんな事言うんだろう。悲しい》

名前と考えていること。

命に関わること以外は表示されない。

それ以外に生活に支障が出たりすると表示される。

それがなければ名前、考えていることしか表示されない。

席を立とうとする。

「ねぇ、お願い!私と…友達に!」

…!まだ話しかけてくるの?!

「…きて」

周りの目線が痛い。


思わず階段裏に連れてきてしまう。

「なにやってるの?貴女がハブられるんだよ」

「いいよ?それでも」

…本気なの?

《仲良くなりたい。》

「――っ!」

この子…本気だ。

目を見るだけでわかる。

「はぁ…イジメられても知らないから」

「もちろん。撃退するから」

何を…

《友達に区域?いや、全国だっけな?の極道統一した人いるから大丈夫!》

面白い人。

「もういい、どうぞ」

ぱあっと顔が明るくなる。

……可愛い。

………え?可愛い?

パンッ。

自分の頬を叩いた。

こんなことを思ったのは初めてだ。

オロオロしてる神崎維月。

「神崎さん、これからよろしく。くれぐれも面倒なことをは巻き込まないで」

「もちろん!」

表示されているのは

彼女の気持ち

《これからもっと仲良くなりたい》

これからの未来

《これから、一生をかけてなか良くなる》

神様。

一生をかけて、私はこの人を幸せにします。

この目を…くれてありがとう。

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