悲報! ひな祭り🎎✨

青木桃子

悲報! ひな祭り

 桃子の娘の苺さんの小学生時代のお話です。


 桃の節句、三月三日のひな祭りの日。娘にしてはめずらしく男友だちが我が家に遊びに来ることになった。


 帰ってきたばかりの苺さんは息をきらしながら嬉しそうに報告してきましたよ。


「今日ね、男の子がうちに遊びに来たいんだって、いい?」

「いいよ」


 男友だち、といってもほとんど遊んだことはない。今日はひな祭りだから、家で『ひなあられ』をナナちゃんと食べる約束をしていた。それを聞いた登校班の男子が家に行きたいと言ってきたらしい。


 登校班の男子は同級生のハヤトくん。サッカー少年だ。ハヤトくんは他にも男子を連れてくる予定。同い年が二人、年下が一人(誰かの弟)、男子は四人来るそうです。


 インターホンが鳴って、モニターを見ると自転車がズラッと並んでいる。「ギャハハハ」と騒ぐ小学生男子たち。モニターに向かってふざけた顔で手を振っていた。


 これまで一人っ子娘を育てていたので、男子に面食らったわたし。


(女の子は遊ぶ時間を約束しても遅刻することが多いけど、男子は逆に早いな。まだなにも用意してないぞ)


 焦るわたし。それでも家の前で待たせても悪いから上がってもらった。


 すると大きな声で――。


「はじめまして! ハヤトです。苺さんのお母さん、お邪魔します」

 目がクリッとしたイケメン男子。行儀よく頭をさげる。


 トゥンク


(え……。さわやか。最近の子どもは、挨拶がしっかりしているのね💛)


 部屋に入ると次々と元気よく挨拶する男子たち。わたしはかわいいと思い、ときめきました。



 数分後、家の中で大暴れ。

 部屋はぐっちゃぐちゃになる。


 は?😱 なに? 倍速ですか? 一秒も座ってないのかな。男子が動くのが早すぎて捕まらない。誰に何を注意していいやら。


 苺さんは親友のナナちゃんとひな祭りをささやかに祝うため、テーブルに桜の花びら、桜柄のコップを用意していた。しかし数秒であられが無残な姿に……。


 プリュ〇ュアの魔法のステッキで戦ごっこする。ピンク塗装でかわいいマザー〇ーデンキッチンでままごと遊びせず、おもちゃの野菜やフライパンの投げ合い。


 あばれ男子の一人が、廊下の壁のぼりする。幅九十センチの壁の間をのぼり始めた。自分の体重を支えるため両手両足を左右の壁につけて手を伸ばし押さえるようにのぼる。忍者の末裔なの?


(白い壁に手垢がぁああ)


 心の悲鳴が聞こえるはずもなく、男子はあっという間に天井に手がつくと思いっきりジャンプして着地した。


 ドスンッ


 小学生男子、意外と重いのね。床が抜けるよう~。ただの細い廊下なのにそんな遊び方があるのですね。わたし眩暈がしてきましたよ。


 サッカー少年ハヤトくん。バランスボールで壁に向かって弾丸シュート。壁から跳ね返ったボールを空中連打連打連打だだだ……。


「すげえなハヤト! 僕もやりたい」

「俺もやるぜ」

 みんなでバランスボールに群がった。


(やめてー家の中なのよ)


 誰かの弟が、わたしのお気に入り、夢の国で買った思い出のミ○ー&○ッキーのぬいぐるみを見つけ、二階の階段から力いっぱい一階の床に叩きつける。


「いやあああ。わたしの○ッキーぃぃ🐭」

 とうとう心の声が漏れて思わず叫ぶ。


 するとハヤトくんがようやく気がつく。

「みんな! 迷惑かけちゃいけないよ」


(シュートしておいてよく言うよ)


 とんだひな祭りでした。(ナナちゃんは遅れて家にきましたとさ)


 



            おしまい




 桃子、嵐のような男子たちが去って、グッタリでした。これが毎日か……男の子のお母さん、すごいなー(*´ω`)💦





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悲報! ひな祭り🎎✨ 青木桃子 @etsuko15

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