「ふたりは幸せに暮らしました、めでたしめでたし」という、キッチリした終わり方の物語も良いけど、この作品は読者に想像の余地を残す終わり方となっています。個人的に大好物です。読み終えたあとで、その後をあれこれ想像するのが好き!という人には超お勧めです。
読者次第で様々な未来を迎えるという、謂わばマルチエンディングのようなエンディング。例えば戸籍をどうにかして婚姻届を出せるようにする。例えば事実婚として暮らしていく。例えば離れ離れになってそれぞれ暮らしていく。例えば幼馴染ちゃんと兄が付き合って、妹と兄は普通の兄妹として生きていく。他にも様々なエンディングが、それぞれの読者の中に生まれると思います。そういった、物語のその後を読者に委ねる作品は珍しいかもしれません。尻切れトンボだと批判されるリスクもあります。それらを覚悟した上で物語を書き上げた作者さんには拍手を贈りたいです。