まず1章読んでみて


オカルトな世界観の上に、人間の感情や、ミステリ要素をうまく絡めた、概要通り欲張りで楽しい作品です。
オカルト的な妖しさの上にどろりとした人間の感情がうまくマッチしていて、文章も読みやすく、読後感も良かったです。

マンガ原作コンテストへの応募作のため、より視覚的に訴えるような表現が多く使われている印象で、描写される光景がありありと目に浮かび、文字を追いながら映像が見える感覚が読み終わるまでずっとあったのが印象的でした。
特に、私は普段から文章を読んでいる時に映像が具体的に頭に浮かびやすいタイプなので、とても楽しく読ませていただきました。

また、キャラクター的な部分でも枯塚さんがとても魅力的なので、彼を見るためだけでも読んでみてほしいと思います。
妖しくて愛嬌のあるちょっと不気味なハイテンション変人男性。かなり好きな人がいる……はず。

まだ読んでいない方は、ひとまず1章だけでも読んでみて、ぜひこの作品の魅力の一端に触れてみてください。