僕のヒロイン、茉莉ちゃん🎎

この美のこ

僕のヒロイン、茉莉ちゃん🎎

 僕にはひな祭りになると思い出す女の子がいる。

あれは小学生6年生の時の事。

僕のクラスに転校生がやって来た。

担任の先生が

「今日からこのクラスに転校してきた雛形茉莉ひながたまつりさんです。みんな、仲良くするように。雛形さん、自己紹介をお願いします」


「皆さん、初めまして。今日からこのクラスで皆さんと一緒に勉強することになった雛形茉莉です。どうぞ宜しくお願いします」


そう言って彼女が頭を下げた所で教室のどこからか


「ひながたまつりってかよ」とヤジが飛んできた。


教室のあちこちから笑いが漏れている。


彼女はそんなヤジや笑いに臆することなく笑顔で言った。


「はい、前の学校でもひな祭りって呼ばれてました。ひな祭りは女の子の祭りなので嬉しいです。」


僕は心の中で、こんなにはっきり言える女の子って凄いなって感心したんだ。


「はい、みんな、名前でからかったりするのはなしですよ。それじゃあ、席は久城くしろはやくんの隣に座って下さい」


彼女は先生からそう言われるとさっさと僕の隣の席にやって来て


「くしろ君だっけ?よろしくね」


と笑顔を向けた。


僕は甘くて爽やかな風にスーッと包まれたような気持になって


「う、うん」


というのがやっとだった。

スーッと溶け込んできた彼女に対して僕はこのクラスに馴染めないでいた。


 ところが彼女はそんな僕の事を知ってか知らずか隣になったよしみで、いつも明るく話しかけてくれる。

彼女が隣で微笑んくれるだけで自分でも驚くほど心が明るくなり楽しくなってきた。


 そんなある日、僕が又


「は~やくしろ!は~やくしろ!」


とからかわれた。


 学校で英語の授業が始まってみんなで自己紹介を英語で言い合った時、


「My name is Haya Kusiro」


と言って以来こうしてからかわれている。

それが僕は嫌で嫌でたまらなかったんだ。

僕がシュンとなっていると

授業が始まった時に彼女が横からそっと、メモを渡して来た。


そこには


“颯くん、負けないで!私がついてるよ”


この彼女からの言葉で僕がどんなに勇気づけられたか。

今までの僕が嘘のように強くなれた気がする。


 彼女とは小学校を卒業以来離れ離れになってしまったけど、ひな祭りが来るたびに思い出す心に残る大切な思い出だ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕のヒロイン、茉莉ちゃん🎎 この美のこ @cocopin

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ