許されぬ想い、せつなくて

桜 こころ🌸

またね……大好き

せつないよ……。


こんなもどかしくて、せつない想いをするのなら、あなたと出会わなければよかった。

愛さなければ、よかった。


あの日、あの時、あなたの姿を見た瞬間に、運命の歯車は動き出してしまった。


ごめん、何のことかさっぱりわからないよね……。


手元にある写真を見つめると、そこには可愛い笑顔で笑うあなたがいる。

それは遠き日の思い出。


あの日、私が選んだ道の上にいて、あなたのことをただ想う。


自分から去って行って、何を言ってるんだろう。

もう忘れなきゃ。


だって、私はあなたを好きになってはいけない。

あなたのことを好きな自分を、私は許せない。


許すことはできないから。


だって、あなたは私の父の……。

ダメだ、これ以上考えるとまた泥沼。深い闇へと落ちていきそうだ。



闇の中、私はもう一度目を瞑った。


あなたの姿が瞼の裏に現れ、意識が覚醒する。

忘れようとすればするほど、忘れられない。


心が痛い、せつない、苦しい……。

でも、忘れるの。

それが一番。


そう思って、結局十年もの歳月が流れてしまった。




そして、今、私の目の前にはあながいる。


神様は意地悪だ。

なんで、よりにもよって……。


ずっと避けてきたことと向き合わせるの?

これは試練? それとも運命?


十年振りに見るあなたの姿……。


目が離せなくて、心が悲鳴を上げた。


ドクドクと脈打つ鼓動、苦しいよ、せつないよ。

会いたくなかった。もう二度と……。


でも、その想いとは裏腹に、喜んでいる自分が心の片隅にいることわかってた。


心は正直だから、困るね。


ああ、好き……こんなにも。


でも、さようなら。


決して許されないこの想い。

他の誰が許しても、私が許さない。


あなたのことが好き。


だから、またね……大好き。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

許されぬ想い、せつなくて 桜 こころ🌸 @sakurakokoro

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ