第25話

新しい服はマントのような形で、ぴったりと体を締めるズボンと大きな帽子付きのふんわりとした服だ。私が選んだのは白色。今回、みんなは洞窟に入るので黒色。私は外で洞窟の地下を把握するので、蓋つき容器の中に水を入れて、足のホルダーに差し込む。あらかじめマントを水にぬらす。冷水だったので、薄い緑色に染まった。これなら少し見ただけならわからないだろう。

「そして、これだ。これは俺が作った物なんだが、位置がわかる装置だ。」

みんなに、手のひらよりも少し大きいほどの機械が渡される。四角型で、時折緑色に点滅する。

「これは研究所のGPSを元に作った物で、電波を幅広い範囲に放出する。あと、外で待機するエルシアにはこれ。」

さらに大きく、緑の外面がついた四角い物体が渡される。画面上には白の点が4つ。

「ヒストはエルシアのことを守ってやれ。探索して迷子になりました、なんてことにはなりたくないからな。」

「そこまで俺馬鹿じゃねーよ!」

「さ、行くぞ。」


洞窟までは歩いて2時間、国から10キロほど離れた位置にあった。木を伝い伝いに目指していく。ヒストさんと私は地面を草をかき分けながら目指す。

「よし。ついたな。」

息も切らさずシリファさんが言う。

「はぁ、はぁ…ふぅ..。お前らなんでそんな体力あんだよ…。」

「ヒストさん、だいじょーぶ?」

「ここからは敵の領地だ。警戒しろよ。」

「早速ですが…あそこに生物センサーらしきものが。」

研究所の中にあった小さな赤色の物体。

「よく気が付いたな、リターシャ。死角は…あそこだけど…。年上のお二人さんは入れそうにねぇな。」

見ると、子供がギリギリ通れるほどだ。

「…作戦変更。今回は四人が見に行ってくれ。俺らはここで待っている。そして、これ。持っていてくれ、エルシア。これは俺が合図を出したら光りだす。光が出たら、情報共有テレパシーで全員に戻るよう指示してくれ。」

「わかりました。」

作戦変更により、私も洞窟組。シリファさんとマントを替え、水の容器を渡すたし、先ほどの機械を足のホルダーに入れる。緑の画面のついている機械も渡す。

「んじゃ、行ってくるわ。」

「行ってきまーす」

マントの端を抱え、中に入る。マントがなびく。体をひねらせ、岩肌を落下しながら走る。地面まで10mほどで壁をけり、地面に着地。あたりを見渡すが、何も見えない。前に一歩踏み出すとがくんと体が落ちる。あ、地面無…

「おい、迂闊に歩くな。」

後ろを見ると、クリロスが私のマントをつかんでいた。上に引き上げてもらう。

「にしても、さすがだな、この繊維。子供一人がぶら下がっても大丈夫っと…。」

自分のマントを眺めながら言う。

「それにしても、これからどうします?単独行動ですか?」

「ああ。そうしよう。なにか怪しいところがあっても、近づかない。注意する。エルシアからの合図があったらここに戻ってくる。いいな?」

「はーい。」

「了解しました。」

それぞれの方向に散っていく。私は、段になっているところを降りて、右側に行く。真っ暗な洞窟に小さな息遣いと足音が響く。






                           第3章 誘拐 ~完~

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