未来人 宇宙人 ゾンビ 「異質な三人組の冒険旅行」

向出博

第1話

西暦2150年、地球はすでに一度滅びていた。世界はかつての繁栄を失い、荒廃した都市にはわずかに生き残った者たちが身を潜めていた。


そんな中、異質な三人組が旅をしていた。


未来人のレイ―人類が築いた最先端技術の結晶であり、時間旅行者。彼は未来からやって来たが、自らの世界を崩壊させた「何か」を調査するために過去へと降り立った。しかし、時間の歪みの影響で元の時代には戻れなくなってしまった。


宇宙人のゼオ―かつて地球を観察していた異星文明の使者。しかし、母星との通信が途絶え、故郷へ帰る術を失った。彼の知識とテクノロジーは人類の遺産を凌駕しており、レイの調査を手伝ううちに、地球に秘められた重大な秘密を知ることになる。


ゾンビのグレン―元は人間だったが、パンデミックによる感染でゾンビ化。しかし、奇跡的に理性を保ち、かつての記憶を持ち続けている。死んでも再生する肉体を持つ彼は、チームの盾であり、ある意味で最も不死身な存在だった。


三人はそれぞれの理由で世界を彷徨っていたが、共通の目的があった。

「人類を滅ぼしたのは何か?」


彼らの旅の中で、少しずつ明らかになる真実。それは、未来人レイが生きた時代、宇宙人ゼオの母星、ゾンビグレンの変異の原因、すべてに関わる壮大な陰謀だった。


ある日、彼らは荒廃した東京の地下深くに眠る迷宮を発見した。

おそらく、この迷宮を空中から見れば、複雑な幾何学模様の迷路なのだろう。


しかし、地下深くにあるため、一つしかない入り口から奥へと進んでいくしかなかった。


迷宮の中心には、膨大な空間のライブラリがあった。そこにたどり着くだけで1カ月近くかかった。

ライブラリには、あるAIの記録が残されていた。

「プロジェクト・ネオフロンティア」


それは、人類がかつて宇宙へ進出するために作り上げたプロジェクトだった。


しかし、ある事件を境にプロジェクトは凍結され、機密情報として封印されていた。

そして、このプロジェクトこそが地球滅亡の鍵だった。


AIが語る真実――それは人類自身が自らを滅ぼしたことを示していた。

「私たちが見つけたのは、神の遺産か、それとも悪魔の遺産か」


三人の運命が交錯する中、彼らは人類の未来を変える選択を迫られることになるのだが、そこに至る道のりは果てしなく遠い。

未来を知る者、宇宙を知る者、死を超越した者――三つの視点が交わるとき、運命の歯車が再び動き出す。


プロローグ:滅びの惑星


地球はすでに終焉を迎えていた。

かつて繁栄した都市は瓦礫と化し、文明の遺産は砂に埋もれている。わずかに生き残った者たちも、食料を求めて争い、あるいはゾンビ化した群れに飲み込まれていった。


だが、この廃墟に、まだ生きる者がいた。


未来人レイ、宇宙人ゼオ、ゾンビでありながら意識を持つグレン。

彼らは滅びた地球を歩きながら、ある真実を探していた。

それは、なぜ人類がこの運命をたどることになったのかという答え。そして、この宇宙における人類の存在意義だ。


第1章:プロジェクト・ネオフロンティアの遺産


未来人レイは、この世界の崩壊が偶然ではないことを知っていた。

"プロジェクト・ネオフロンティア"——かつての人類が宇宙進出を目指して行った極秘計画。

しかし、その計画が生んだ技術は、予想を超えた影響をもたらし、地球の生態系を狂わせ、世界を崩壊へと導いた。


「時間の歪みが拡大している……このままだと、宇宙そのものが壊れるかもしれない。」レイは計測器を見つめながら呟く。


ゼオは、自分の故郷である惑星タウ・シリウスがこの事態を静観していないことを知っていた。

「母星から艦隊が来る……だが、彼らは地球を救うためではなく、完全に消滅させるために来る。」


グレンは静かにうなずいた。彼の体には、ゾンビウイルスとは異なる何かが組み込まれていた。それは、ただの感染ではなく、人類を進化させる鍵だったが、そのことをグレンはまだ知らなかった。


第2章:時間と因果律の崩壊


時間の流れが乱れ始めていた。

かつて未来の世界にいたレイが、ここに存在すること自体が、異常な事態を生んでいるのだ。


「このままでは、過去も未来も崩壊する……」


彼らは滅びゆく地球の地下に隠された「プロジェクト・ネオフロンティア」の最後の遺産を探すことに決めた。


ゼオの母星の艦隊が迫る中、彼らはある施設にたどり着いた。

そこには、地球を守るための最後の超技術が眠っていた。


第3章:人類の進化か、破滅か


グレンは自身の体に変化を感じ始めていた。

「これは……進化なのか?」

ゾンビ化が単なる病ではなく、新たな知性の誕生の兆しだったのだ。だが、その進化を恐れる存在がいた。


ゼオの母星の艦隊が、地球への総攻撃を開始した。

「地球はこのまま滅びるべきなのか?」

彼らは究極の選択を迫られる。


レイは、時間の修正によって過去をやり直す道を模索する。

ゼオは、自らの種族と戦いながら、地球を守る方法を探る。

グレンは、新たな進化を受け入れるべきか、それとも拒絶すべきかの狭間で苦悩する。


第4章:彼らの選択


彼らはついに、地球の奥深くに隠された超技術を起動させた。

それは、時間を巻き戻し、過去を修正する力を持っていた。


「やり直すのか? それとも、これを受け入れるのか?」


人類は新たな段階へ進化するのか、それとも過去のまま生き続けるのか。

そして、彼らが下した決断とは——。


To be continued.

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未来人 宇宙人 ゾンビ 「異質な三人組の冒険旅行」 向出博 @HiroshiMukaide

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