君へ…「狂愛」

この気持ちの名前

この気持ちをなんというのだろう？

そんなのどうでもいい

私は君が愛おしくて　いつも見ていたくて

ただそれだけのこと

気持ちに名前なんていらない

君と過ごす未来を　今日も思い描く

「愛してる」違う

「恋してる」これも違う

どうして私はこの気持ちに名前を付けようとしているの？

名前を付けたら誰に伝えようとしているの？

今日の君を見て「いつもと変わらない」と安堵し

今日の君を見て「いつもより多く笑った」と喜び

今日の君を見て「いつもよりあの子に視線がいった」と嘆き

今日の君を見て「いつもより私を見てくれなかった」と哀しみ

毎日感情が忙しかった　でも君を見ていられる日々が幸せだった

なのに今日の君を…見ることができなくなった

君が私を避けていると噂で聞いた

そんなはずはない

だって私はこんなに君のための時間をかけているんだから

私以外の誰かを想うなんてありえない

そうでしょ？

君を一番知っているのは私なのだから

君は覚えているだろうか

あの日　私を見て微笑んでくれたことを

あの日　私に話しかけてくれたことを

あの日　私を心配してくれたことを

あの日　私の手を掴んでくれたことを

あの日…もうどれくらい前のことだろう

君を見なくなってからどれくらい？

私は君より先を行くのに

君が私から離れるなんて思ってもいなかったのに

君以外の誰かを想うなんてありえない

そうでしょ？

だって君はずっと私を大切にすると言ったのよ

忘れちゃったの？

君が私から離れてから君だけを探していた

やはり君はどこにもいない

君が別の土地で暮らしていると知ったのは

君を見なくなって少し経ってから

その土地で新しい誰かと幸せに暮らしている

そんなのありえない

私は君より先を行き

君の知らないところで先に逝く

私の命は君より短いんだよ

ずっと大切にすると言ってくれたのに

私を大切にしてくれたのは君じゃなくなった

君のパパとママだけが私を大切にしてくれた

私は君に大切にしてほしかった

私と同じくらい愛してほしかった

そうだ

今なら君に伝えられるこの気持ちの名前

きっとこの気持ちは狂おしいほど君を愛している

狂愛だったんだね