妻の破滅と、望むもの。
久遠 れんり
復讐、そして俺の望は……
ある程度の年齢で結婚。
だけど、愛し、暮らして行く相手のことを、どのくらいの人が知っているだろう。
俺達は三人、仲の良い幼馴染みだった。
彼らが付き合うと決めた、高校生一年の時は祝福した。
そう、その頃の俺はまだ幼かった。
「
「ああ、目的があるからな」
三人の住まいは、ある宿舎。
元国家公務員宿舎。法人化をして公務員では無くなった親。
下っ端は貧乏だし、移動も無い。
戸建ての家が欲しい。
それにはお金が要る。勉強をして偉くなる。
そんな漠然とした夢。
だけど実際は、大きな会社でも移動があり、戸建ては難しい。
そんなある日、連絡が入る。
紬葵が暴漢に襲われた。
怪我をして落ち込んでいる彼女。
それを慰める一颯。
その距離感、俺は入ることが出来ない関係。
俺は彼らと高校が違う。
進学が望める学校。
そんな中に悩んでいる奴がいる。
本当にたまたま。
話を聞くと、弟の素行が悪くて困っていると。
聞けば悪い連中と連んでいると。
そう言ってみせられたメモ。
そこに書かれた標的、紬葵の名前。
だが、それを計画した
弟君は、文化祭の用具を家に忘れ取りに帰るのを、先輩である紬葵に頼む。
その道中で襲われる。
きちんとやれば一人一万。
そんな計画。
「犯罪だな、警察へ行け。今なんとかしないと、もっと屑になるぞ」
「そうか、そうだよな。でも計画だけで……」
彼はそう言った。だが……
「もうそれは行われた。被害者は俺の幼馴染みだ」
珍しく俺は、教室で大声を出した。
「そんな…… すまない」
消沈をする彼の胸ぐらを掴む。
「すぐに行け」
「ああ」
だけど、よく判らないが、あの女は捕まらなかった。
その為に俺は計画をする。
破滅させるために。
だが、高校生では駄目だ。
俺は努力を継続した。
復讐のために。
良い大学に入り、幅広く友人を作る。
そして、就職。
そして、適当な会社で適当な仕事をしている彼女と、知りあう切っ掛けを作る。
見栄張りな彼女らしく、ベンチャーの研究所に勤めていた。
無論研究員では無く実験助手だ。
適当に相手をして、適当に結婚まで持っていく。
虚栄心を刺激すればすぐに彼女は落ちた。
俺の仕事は、親や友人達に見栄を張るには十分だろう。
弁護士という職業。
一カ所に腰を落ち着けて、家が持てる。
彼女は、ホイホイ尻尾を振ってきた。
我慢をして良い旦那を演出する。
当然反吐を吐きながら。
そして、友人の協力でパーティを開き、社長や自称社長、医師などを呼んでもらい彼女を同伴させる。
無論目的は伝えてある。
周りは全てが仕掛け人。
「望むなら抱け、動画は撮れよ」
「判った。お前の奥さん。見た目は美人だから、乗ってくる奴もいるだろ」
そう言ってノリノリだった友人だが、やばい奴らに伝手があったようだ。
それのおかげで、彼女は俺の予想を超えて、最悪な人生に向かうことになる。
証拠を大量に見せながら、慰謝料を請求する。
無論こっちはプロだ。
一年間泳がせ、彼女が途中で子どもを望んだ時期、その他もろもろで托卵まで企んだ事を追求をする。
当然だが、実家も彼女に協力をしていた。
無論事情を知っているので、俺はその頃出張を入れた。
思った以上に下種な奴。
俺も人のことは言えないと思うが、それは横に置いておく。
そうして、裕福では無い実家に見捨てられて、彼女は知っている伝手。
つまり俺が撒いていた餌。友人を頼る。
すぐに、ビデオが販売される。
段々と、エグいものへと……
そこでやっと、友人二人に顛末を説明をした。
久しぶりに会った二人は、まだ付き合ってはいた。
無論事情は知っている。
あの時彼は若く、一颯は本気で紬葵を支えた。
PTSDがあり、関係修復は苦労しただろう。
そして問題は一颯の性格、他の男に汚された紬葵を多分許せなかったのだろう。
その証拠に浮気をしている。
彼女のためにと、仕事を頑張っている振りはしているが、入った会社は喧嘩をして退社。起業をした会社は上手くいっていない。
奴は、調子のいいことを言って、言うだけで努力をしない。
そんな性格は、子どもの頃から変わっていない。
紬葵が、なぜあいつとくっ付いたのか、未だに俺は納得をしていない。
俺はずっと、紬葵が好きだった。
まあ気がついたのが、奴らが付き合いだしたと知って、嫉妬と共に初めて気がついたのだが、彼女の笑顔を消すことはしたくなかった。
だが、迎える準備は出来た。
あの一件をベストのタイミングで報告。
そこから、再び重なる人生。
その後、幾度かの金銭的援助で、彼女は俺に体を許した。
無論それだけでは無く、一颯の状態も薄々は気がついていたのだろう。救いの先として選んでくれた。
あとは、奴の浮気を良いタイミングで開示すれば、彼女は俺の物となる。
あれから、十年以上。
一颯が自滅してくれたのは助かった。
ああ、あの時から錬った計画が、やっと終了をする。
紬葵、きみは高校の時、選択を間違えたんだ。これからは全て俺が管理してあげるから安心してくれ。
妻の破滅と、望むもの。 久遠 れんり @recmiya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます