【十首連作】空のまんなか
御厨カイト
【十首連作】空のまんなか
青い春なんて言うには青すぎて手のひらの中こぼれ落ちそう
水たまり避けて跳ねればふたりして同じリズムの足音になる
電線に引っかかりそうな声あげて笑う横顔夏のまぶしさ
無造作に結んだ髪がほどけても気にも留めずに海へと走る
雲ひとつなかった空のまんなかで言葉にできずいろはすを飲む
コンビニの袋ぶらぶら揺らしつつなんか喋って間を埋めてる
坂道を飛ばしたあとに振り返る追いかけるはずの影が揺れてる
さっきまで指を握っていたくせに掌だけがやけに寂しい
しばらくは雨の気配もなさそうだ洗ったシャツをベランダに干す
さよならを言う勇気なく線を引く飛行機雲のようになりたし
【十首連作】空のまんなか 御厨カイト @mikuriya777
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