耳を舐めるか、組を潰すか

@namaste_taro

夜凪組、耳舐めASMRへの道

## 【プロローグ】

今や裏社会にその名を轟かせた夜凪組は、警察の強化取り締まりや暴力団排除条例の影響で、かつての栄華から凋落の一途を辿っていた。

抗争の武闘派として名を馳せた時代は遠のき、古いシノギはことごとく潰され、組の財政は崩壊寸前。そんな暗黒に沈む組を立て直すべく、若頭・荒木慎吾が見いだしたのは、ネット配信の一大トレンド“ASMR”、とりわけ「耳舐め」ジャンルの爆発的人気だった――。


「武器じゃなく“音”で稼ぐなんざ、正気の沙汰じゃねえ」

「だが、このままじゃ組は終わりだ」


生き残りを懸けて、夜凪組は前代未聞のビジネスモデルに乗り出す。

刃物や拳での抗争に明け暮れてきた男たちが、マイクに唇を寄せ、舌を這わせ、囁きを練習する。その異様な光景が、組の運命を大きく左右することになる――。


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## 第一章:崩壊寸前の夜凪組


### 1-1. 組事務所に漂う沈黙

かつて威勢を誇った夜凪組の本部事務所は、高層ビルの谷間にある古びたビルの一室に移転を余儀なくされていた。部屋の壁は黄ばんでひび割れ、薄汚れた畳の上には、数名の組員が所在なげに座っている。

赤字続きの家計簿は山積みになり、誰もが疲弊しきっていた。


そんな中、若頭・荒木慎吾は書類の山をにらみつけながら唸る。警察の締め付け、暴力団排除条例、社会からの厳しい視線――すべてが昔のシノギの継続を許さない。

「このまま、指くわえて終わっちまうのか……」


荒木は深いため息をついた。裏社会に生きる自分たちに、いまさら“まともな商売”が通用するのか。それでも現実を見れば、何か新しい道を開拓しない限り夜凪組は滅びる運命にある。


### 1-2. 新たなシノギの種

ある日、荒木は偶然目にしたネット記事で「ASMR」が若者中心に大ブームとなっていることを知る。さらに調べてみると、“耳舐めASMR”というジャンルが際立って人気で、個人で数百万円を月に稼ぐ配信者がいるという。

「音で金を稼ぐ時代だと? 馬鹿馬鹿しい……」


初めは荒木自身もそう感じた。しかし、**稼げるなら試してみる価値はある**。暴力団だからといって、もう違法カジノや薬物取引に手を出すのはリスキーすぎる時代。

「だったら、ネットで合法的に稼ぎゃいいじゃねえか……」


こうして“耳舐めASMR”を新たな収益源として活用するアイデアが生まれる。荒木は早速、組の会議で提案をぶち上げた。

「これからは舌を使って金を稼ぐ。――お前ら、耳舐めASMRをやるんだ」


一斉に失笑と怒号が飛び交う。

「兄貴、正気かよ!」「ふざけんな、俺たちはヤクザだぞ? こんな色モンみたいなこと……」


だが荒木は動じない。

「昔みたいな賭場のシノギはできねぇ。それでも組を生かしたいなら、新しい道を作るしかないんだ。お前らも、逃げ場があると思うなよ」


沈黙が訪れ、次第に皆が荒木の言葉の重みを感じ始める。まさかヤクザが耳舐め配信などと誰が想像したか――それでも、口をつぐんだまま否定もできない。生き残るためには、プライドを捨てる時が来たのだ。


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## 第二章:始動、耳舐めASMRプロジェクト


### 2-1. 録音機材の導入

荒木の号令で、プロ仕様の録音機材や防音設備が一挙に事務所へ運び込まれる。ダミーヘッドマイクと呼ばれる人頭模型型の高性能マイク、ノイズ除去用ソフトウェア、吸音材など、総額数百万円にもなる大がかりな投資だ。

「金はかかるが、やるなら本気でいくぞ」


組員たちは半信半疑のまま、続々とマイクの前に立ち、試しに息や舌を当ててみる。が、いざやってみると難しさを実感する。

「こ、こんな風に舌を……?」「うわ、ノイズが入った!」


呼吸を一定に保ち、マイクへ息が吹きかからないよう気を使い、舌の湿度や角度を調整――裏社会の荒くれ者にはあまりにも繊細な作業だった。


### 2-2. 二万五千人トーナメント構想

しかし、夜凪組には書類上、二万五千人もの構成員がいる(実際には離脱者も多いが)。この“数”をどう活かすか。荒木は大胆なアイデアを発案する。

「組の総力戦だ。二万五千人全員を巻き込んで、耳舐めの頂点を決めるトーナメントをやる。優勝者は看板配信者としてガッツリ稼いでもらうぞ」


各自の録音を予選審査し、勝ち上がった者に次々と“高級マイク”を貸し出してさらに磨いていく。右も左も分からない状態から、実際に人気を得るには、まずは**“音で勝負する”一握りの天才**を見つけ出すのが手っ取り早い。


「お前ら、今まで刃物や拳銃を握ってたが、これからはマイクとヘッドホンで勝負だ。やる気出せ」

荒木が激を飛ばすと、組員たちはしぶしぶながらも動き始める。いや、彼らの中には“裏社会での勝負事”に血が騒ぐ者も多く、次第に「誰が最強の耳舐め職人になれるか」へ異様な熱気が高まっていく。


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## 第三章:予選の熱狂と意外な才能


### 3-1. 異様な光景

タトゥーや傷跡が生々しい男たちが、狭いスタジオでマイクに囁いたり、舌を這わせたり。筋肉隆々の大男がヘッドホンをつけて「俺の音、ちゃんと聞こえてるか?」と真剣な表情で尋ねる。

その光景は滑稽ともいえるが、誰も笑ってはいられない。組にとっては死活問題なのだ。


やがて、トーナメントの予選用音源が続々と集まる。各録音の長さは3分程度。審査員を務めるのは、荒木をはじめとする若頭補佐や、外部の音響技術者。


### 3-2. 技術の進化

「呼吸のノイズを抑えるテクニック」を学ぶためにボイストレーナーを雇う者や、海外のASMR配信者の動画を夜通し研究する者も出てきた。

- **「湿潤式耳舐め」**:あえて唾液の音を強調し、強烈な生々しさを演出する。

- **「間合いの美学」**:あえて一拍の沈黙を挟み、リスナーに“焦らし”を与える。

- **「囁き殺し」**:恐怖スレスレの低音で囁き、ゾクゾク感を高める。


普段は利権交渉で人を脅していた連中が、この時ばかりは舌遣いや呼吸リズムを真剣に模索している。まさかの芸術性の追求が、夜凪組で花開き始めるのだ。


### 3-3. 鶴田の衝撃

そんな中、予選音源の中でも圧倒的な存在感を示したのが、若衆頭の**鶴田**である。

鶴田は武闘派の英雄として名を馳せ、いくつもの抗争を冷徹な判断力で乗り切ってきた人物。実戦で培った“相手を支配する”感覚を、耳舐めにも活かせるとは、誰一人想像していなかった。


鶴田の音源は、まるで地を這うように低く響く囁きが聴く者を魅了し、その舌の動きは蛇のように妖艶。たった3分の録音の中に甘さと凶暴さが同居し、「優しげに誘い込まれたと思ったら急に獲物を捕らえる猛獣のような音」が炸裂する。

「何だコレ……やべえレベルだぞ」

荒木を含む審査員全員が鳥肌を立てながら、鶴田を高評価せざるを得なかった。


予選を突破したのはおよそ100名。そこには鶴田のほかにも、元クラブホステスで接待のプロだった女組員や、声帯模写の得意な男など、意外な人材が含まれており、一気に盛り上がりを見せ始める。


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## 第四章:本選と燃え上がる組内の期待


### 4-1. 本選への道

100名に絞られた本選。各自がさらに特訓を重ね、防音室でより高音質の録音を行う。録音時間は1人5分とし、**「夜凪組らしさ」を表現する」**という追加条件が課された。

「ただエロいだけじゃダメだ。俺たちは“暗黒の香り”をまとった耳舐めを提供するんだ」

荒木がそう宣言すると、組員たちは「暴力の息吹を感じさせる音」をどう演出するかに頭を悩ませる。


### 4-2. 耳舐め研究会

組内では、新時代派の若者たちが中心となり「耳舐め研究会」を立ち上げていた。YouTubeやファンサイトをくまなくチェックし、成功している配信者の特徴を分析。マネタイズ手法まで含めて情報交換を行う。

「これだけ人数が多ければ、トップ配信者を何人も生み出せる。そしたら大金が入るだろう」


一方、古参の武闘派たちは、この“耳舐め祭り”にどこか複雑な感情を抱いていた。

「俺たちは血と汗でこの組を支えてきたのに、何が舐めだ。こんな軟弱なことで、組が救われるわけがない……」


そう嘆きつつも、彼らも組の命令に背くわけにはいかない。内心の葛藤が渦巻いていた。


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## 第五章:台頭する新時代派と始まる派閥争い


### 5-1. 荒木の計算

荒木は耳舐めプロジェクトを単なる“思いつきの新シノギ”では終わらせないつもりだった。**録音・編集・配信・グッズ販売**などを一気に自前でシステム化し、表向きはクリーンな会社を立ち上げて運営する。

「暴力から完全に足を洗うのは難しいが、せめてこれで安定的に資金を得られれば、抗争しなくても食っていけるようになる」


組全体の体質改善を図る荒木の思惑に、新時代派は乗り気だ。一方で、旧武闘派の古参組員は「ヤクザのプライドを捨てたか」と反発を強めていた。


### 5-2. 鶴田の立ち位置

鶴田は武闘派を束ねてきた中心人物だが、本選に進んでからというもの、その耳舐め技術の高さが組内外に知れ渡り、もはや**“耳舐めの帝王”**の座に最も近い男と目されていた。

一部の武闘派からは「鶴田さんまで耳舐めなんてやって、昔の威厳が薄れちまう」と嘆く声があったが、鶴田は気に留めない。

「時代が変わるなら、俺も変わらなきゃならねえ。それだけだ」


鶴田が本気になれば、このプロジェクトは一気に軌道に乗る。荒木はそこに大きな期待を寄せるが、同時に鶴田が**“次期組長”**として暗躍する可能性も捨てきれない。組内部の力学が徐々に変容しつつあった。


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## 第六章:最終審査へ向けた選抜と幹部の参戦発表


### 6-1. 絞り込まれるベスト8

熾烈を極めた本選の審査を経て、8名が最終審査に進むことが発表された。その中には当然、**鶴田**の名がある。また、声色を自在に操る男・黒岩、元ホステスの女性組員・汐里など、実力派が揃う。

彼らが最後のステージで“耳舐めパフォーマンス”を披露し、組の最高位である「最強の耳舐め職人」の栄冠を奪い合うことになる――そう誰もが思っていた。


### 6-2. 荒木のサプライズ告知

ところが、最終審査の直前に荒木から新たな告知がなされる。

「今回の決勝ステージは、組の未来を左右する重大なイベントだ。よって、**組幹部にも参加してもらうことにする**」


幹部――つまり、若頭補佐や舎弟頭、古参の実力者たちもだ。

驚きの声が広がる。元々「幹部は審査する側」という認識だったが、荒木は「それだけでは意味がない」と考えていた。

「組のトップが率先して恥をかかなきゃ、下も本気にならねぇだろ? それに、耳舐めで食っていくってのは、組全体が共有すべき“生き残り策”だ」


こうして最終審査のエントリーに、なんと現役の若頭補佐たち――幹部数名が参戦を表明。トーナメント形式が崩れるため、急遽「**一斉パフォーマンス審査**」へと競技方法が変更される。その中で誰が一番魅力的な耳舐めを披露できるかを、改めて採点する形だ。


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## 第七章:幹部たちの葛藤


### 7-1. 幹部・川尻のプライド

「こんな恥ずかしい真似、やってられるか!」と声を荒らげたのは古参の舎弟頭・川尻だ。長年の抗争で体に無数の傷を負い、組でも大きな顔をしてきた。

しかし組命令には逆らえない。荒木から“選抜メンバー”として名を挙げられた以上、辞退は許されない空気だった。


「俺は昔、指を詰めて組長に忠誠を誓った男だぞ? 今さらマイクにペロペロなんてできるかよ!」

そう息巻く川尻を、荒木は静かに説得する。

「川尻の親分、誰よりも組を想ってくれてるのは知ってる。だからこそ、やってほしいんだ。今はプライドよりも、組が生き延びる道を優先してくれねえか」


一瞬、川尻は苦虫を噛み潰したような顔をするが、そこには荒木への信頼もあった。どうやら本気らしい。

「……わかった。確かに俺は古臭い考えかもしれんが、最後まで組のために尽くす。それがヤクザの仁義ってもんだろう」


### 7-2. 幹部・大塚と“囁きの美学”

幹部の一人、大塚は稼ぎの頭脳として昔から金融のシノギを仕切ってきた。彼は飄々としているが、実は独特の「囁き術」を心得ているらしいと噂されていた。

取立ての場面で、大塚が相手の耳元でささやくと、必ず返済がスムーズに進む――そんな都市伝説のようなエピソードが組内に広まっていたのだ。

「フフ、こういうのは得意かもしれませんねぇ。どんな場面でも、まずは耳から相手を支配するのがコツですから」


さらに、大塚はマイクやソフトウェアの使い方にも比較的精通しており、**“テクニカルなしゃがれ囁き”**を披露するのではと期待される。


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## 第八章:決勝ステージの準備


### 8-1. 特別会場の用意

決勝ステージは夜凪組が所有する倉庫街の一角に、防音仕様の臨時スタジオを特設して行われることになった。

メインマイクには最高級のダミーヘッドマイクが設置され、周囲には防音壁と照明が配されている。外部の客(裏社会の関係者や一部配信業界の有力者など)も招待され、観客兼審査員として50人ほどが集まる。

審査方式は、一人あたり5分のパフォーマンス。幹部5名+選抜された本選上位8名の合計13名が一斉に競う。評価は「音質」「耳舐めテクニック」「囁きの内容」「夜凪組らしさ」の4項目で採点される。最終的に、荒木を含む特別審査団が総合点を決定し、優勝者を発表する仕組みだ。


### 8-2. それぞれの最終調整

- **鶴田**: 相変わらず本番以外ではあまり表に出ず、黙々と独自の練習を続ける。誰もが優勝候補と疑わないが、彼の胸中には様々な葛藤が渦巻いている。

- **汐里(女性組員)**: ホステス時代のテクニックを活かし、甘く優しい囁きで勝負。トップに立つため、妄想をかき立てる新たなセリフを工夫中。

- **黒岩**: 元AV男優との噂があり、官能的かつ大胆な演技で突き進むタイプ。今回も攻撃的な耳舐めスタイルで一発逆転を狙う。

- **川尻(舎弟頭)**: 腹をくくって、むしろ自分の“男らしい声”を活かした低音囁きと力強い舐め音を模索。「ゾクッとさせる恐怖感」を武器にすると豪語。

- **大塚(幹部)**: 技術力を駆使した繊細な“囁きとリバーブ”で挑むと噂され、組内外で密かな注目を集める。


周囲の誰もが、今夜こそ“最強の耳舐め職人”が誕生する瞬間を見届けようと固唾を飲む。


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## 第九章:決勝当日――揺れる覚悟


### 9-1. 古参武闘派の不穏な動き

決勝当日。倉庫街周辺は警戒態勢が敷かれる。実は古参武闘派の一部が裏で「こんな茶番やめちまえ!」と息巻いており、妨害工作の可能性があった。

荒木は耳舐めビジネスが破壊される危険を感じ、念のため信用できる若手組員を警護に配置していた。

「耳舐めで生き残るなんて、武闘派の俺らの誇りがズタズタだ」――彼らの中にはすでに離反を考える者もいる。荒木はいつ彼らが暴発するか分からないと警戒を強める。


### 9-2. 開演前の静寂

夕刻、観客が座席に陣取り、照明が落とされる。特設ステージに立つのは13名。重々しい沈黙の中、荒木が進行役を務める。

「これより、夜凪組最終審査――耳舐めASMRグランプリを始める。お前ら、ここが正念場だ。悔いのねえよう、出し切ってくれ」


ステージ脇には高級ダミーヘッドマイクがずらりと並び、それぞれの演者が順番に己のパフォーマンスを披露していくスタイルだ。後ろにはスクリーンがあり、拡大映像とともにわずかな唾液音や息遣いまでもが観客にリアルタイムで届けられる。


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## 第十章:決戦――13人の耳舐めパフォーマンス


### 10-1. 幹部たちの意外な奮闘

一人目に登場したのは、舎弟頭・川尻。

「こんなこと、二度とやらねえからな……」

そう呟くと、ガサガサした低い声で一拍置き、マイクの耳部に舌を這わせる。武闘派らしい荒々しさがありながら、どこか背徳的な色気もある。観客はそのギャップに引き込まれ、ステージが静まり返る。


二人目の幹部・大塚はテクニシャンぶりを発揮。囁き声を巧みに変化させ、リバーブ効果で耳の周囲を漂うような不思議な空間を作り出す。

「フフ……逃げ場はないですよ……」

淡々とした口調なのに、ゾクッとするほどの迫力。まるで取立て交渉で相手を追い詰めるかのような圧迫感が漂う。


他の幹部たちも、恥ずかしさをこらえながら“昔取った杵柄”を思い出し、いかにも夜凪組らしい“暴力的な甘さ”を演出する。

「幹部ってこんなに器用だったのか……」

観客席からも驚きの声が漏れる。


### 10-2. 選抜メンバーの個性爆発

続いて本選を勝ち上がった8名が登場。中でも評判を集めたのは汐里と黒岩だ。

- **汐里**: かすかな笑みを含む甘い囁きが「癒し」そのもの。軽やかな舌使いで、「優しく抱きしめるような」耳舐めを繰り返す。観客には悶絶する者まで現れるほどだ。

- **黒岩**: 一転して“攻め”の耳舐めを展開。まるで恋人との激しい情事を連想させるような、荒い息遣いと深い舌音。派手さではピカイチで、拍手とどよめきが巻き起こる。


観客はすでに熱狂の渦。審査員や荒木自身も、「どちらが勝ってもおかしくない」と思うほどのハイレベルな戦いになっていた。


### 10-3. 鶴田、静かなる凶刃

そして、最後に登場するのが若衆頭・鶴田。会場の空気がピリッと張り詰める。

鶴田はゆっくりとマイクに近づき、最初は微かな吐息を一拍二拍と刻む。観客が次第に鶴田のリズムに引き込まれ、息を呑む。

「……落ち着けよ。俺が、全部舐めてやる……」


低い声で呟いた次の瞬間、鶴田の舌はマイクの耳を抉るように激しく絡めとる。かと思えば、突然優しく囁くようにペロリと舐め回す。甘さと狂気、慈悲と暴力が混在するような演技に、観客は耳を支配される。

聴覚だけでなく、心を握られる――それが鶴田の耳舐めだ。拍手すら起こらないほど、皆が息を止めて聞き入る。


鶴田がマイクから離れると同時に、ようやく解放されたかのように大きな息が漏れる。そして遅れて、大きな拍手と歓声がスタジオを揺るがした。


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## 第十一章:嵐のような審査と不穏な暗雲


### 11-1. 緊迫する審査結果

13人のパフォーマンスを終え、審査員たちは採点を集計する。

「汐里の甘さも捨てがたい……」「黒岩のインパクトは強烈だった」「大塚のテクニックは業界レベルだろう」……激論が交わされる。

しかし、ほぼ全員が「鶴田の耳舐めは別格だ」と意見を一致させていた。


ところがここで、現場の外で騒ぎが起こる。古参武闘派の一部が「こんな茶番を終わらせろ!」とスタジオの扉をこじ開けようとしているというのだ。

荒木は即座に若手組員を差し向け、なんとか事態の鎮静を図る。会場内の緊張感が一気に高まる。


### 11-2. 鶴田の決意

鶴田はその騒ぎを知り、一人スタジオの外へ出ていく。古参武闘派の数名が激昂し、金属バットを手にしている。

「鶴田さん、こんな情けねえ真似で組が救えるかよ!」

「俺たちの誇りはどうなる!」


鶴田は静かに言い放つ。

「誇りだけで飯が食える時代は終わった。俺もお前らの気持ちはわかるが、今はこうするしかねえんだよ」

その目には迷いがない。あまりの迫力に武闘派たちは言葉を失う。結局、彼らは静かに引き下がるしかなかった。


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## 第十二章:優勝者発表と大団円……?


### 12-1. “耳舐めの帝王”の誕生

やがて審査結果がまとまる。特別審査団の代表として、荒木がステージに立つ。

「今回、夜凪組最強の耳舐め職人……**優勝者は鶴田だ**!」


場内から大歓声が起こる。汐里や黒岩、幹部たちも鶴田の実力を認め、拍手を送る。

「鶴田さんなら納得だ」「やっぱり帝王は別格だったな」


こうして鶴田は、幹部も参加した最終審査を制して“耳舐めの帝王”として正式に君臨する。さらに、特筆すべきは幹部勢が予想以上に健闘したことだった。中でも大塚は3位に食い込み、「テクニカル部門賞」なる特別賞を受賞。川尻も7位と、そこそこの評価を得ている。


### 12-2. 組が見出した新たな希望

鶴田の優勝を受け、荒木は宣言する。

「これから、夜凪組は耳舐めASMRを本格的にビジネス化する。今回参戦してくれた幹部の技術も大いに活かそう。配信サイトやライブ配信のプラットフォームを作り、新たな稼ぎを確立するぞ」


このプロジェクトは、組内の支持を得て徐々に拡大していく。もちろん反対勢力はまだくすぶっているし、警察や他組織からの妨害もあるだろう。だが、この時点で夜凪組は**「暴力でなく音で生き延びる道」**を真剣に模索し始めたのだ。

口では馬鹿にしていても、幹部が実際に舌を這わせたことで、組員たちの意識も変わりはじめる。「上がやるなら、俺たちもやるしかない」と。


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## エピローグ:囁きは闇を照らす


かつては刃物や銃を握ってきた夜凪組の男たちが、今はマイクに舌を這わせる。恐ろしく甘い音の中に、かすかな血の匂いが混じる――それこそが彼らの持ち味だ。

荒木と鶴田を中心に立ち上げた“耳舐めASMRサイト”は、瞬く間に業界を席巻し、多くのリスナーを虜にしている。幹部を含めた配信チームも稼働し、派手なライブイベントや限定音源の販売で莫大な資金を集め始めた。


一方で、旧来の武闘派は「音などで誤魔化しても、いつかは暴力の世界に戻る時が来る」と密かに息を潜めているかもしれない。

だが、荒木が言うように、もう“昔のやり方”だけでは生き残れない時代が来ている。耳舐めの湿った囁きは、暗黒の裏社会にも確かな変化をもたらしているのだ。


今日もまた、深夜の防音室から妖艶な舌の音が響く。その音はまるで、夜凪組の誓いを伝えるかのように甘く、そしてどこか危うい。闇を舐めながらも、かすかな光を求める男たち――**夜凪組**の新時代が、いま幕を開ける。


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本作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。また、AI技術を活用して生成された内容が含まれています。あらかじめご了承ください。

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