二つの太陽

国生飛鳥

大樹の神子と守護者

太陽の子として人々から選ばれた神子は、浮遊大陸の影になっている大地を照らすために、大樹から二つ目の太陽の元となる樹液を大量に摘出し、神子の生命と祈りの力でそれと共鳴させ光を産み出す

神子は全身樹液に浸かり、そこで命尽きるまで使命を全うする

(光は人々に聖火と呼ばれ、神子が祈りを捧げる場所は聖火台と呼ばれている。聖火台は浮遊大陸の真下に位置する)


守護者である樹魔は神子の力により召喚され、外敵から神子の身を守るため全力で力を振るうが神子の命運が尽きると共に果て、神子と共にやがて石となる

樹魔の容姿は神子によって様々で、それぞれが違う形をしている


◆或る者の見聞録◆

人類は海の上に位置する遥か上空の浮遊大陸が原因で太陽の恵みを得ることができずに食料難で苦しめられていた

ある時天上人の提案で、浮遊大陸の真下に新しい人工の太陽を作ることになり、そこまで橋を架け塔を建てた

人類はもうすぐ人工の太陽ができあがると喜んでいたが、太陽の灯を灯すには生贄が必要だった

生贄は塔に封印され生涯をそこで全うするのである

人類は生きるためには犠牲は付きものと生贄を選び、新しい光を得る

人類が生き残る為、決して光を絶やさぬよう命のリレーが行われていた

生贄はやがて神子と呼ばれ、その塔は聖火台と呼ばれた

塔の頂上まで登る螺旋階段はまるで龍のようだった

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二つの太陽 国生飛鳥 @Asuka_Kokusho

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