運命回避、未来救難――時を超えたパラレルワールドファンタジー
- ★★★ Excellent!!!
第三章までのレビューとなります。
過去へと戻り、残酷な未来を回避してかけがえのない命を救う、王道のタイムリープファンタジーです。
スタートは2020年――アロマウイルスのパンデミックが猛威を奮っている時代。主人公の佐倉優(40)は生命の危機に瀕するも、30年前の1990年にタイムリープして辛くも命を繋ぎます。そこから仲間とともにかけがえのない命を救い運命に抗い続けるストーリーです。
この逆境をどうやって乗り越えるのだろう? 読めば読むほどその最適解への探求に興味が湧いてきます。
タイムリープするため以外に突飛で便利なアイテムは登場せず、仲間との絆と共闘でなんとか難局を突破していくからハラハラドキドキ。それはさながら現実的な側面を併せ持ち、時に常識に則ったリアリティを私たちの深層心理に訴えかけてくる。そこから確かな説得力に裏付けられたある種の没入感を覚えることでしょう。
そんな親しみやすい本作。
登場人物たちもキャラが立って魅力的です。タイムリープのたびに現れる並行世界。その微妙な違いで異なる顔を見せるキャストたち。世界線をまたぐ記憶を有しているキャラもいて想像を超えてくる楽しみが待っていることでしょう。
スピンオフとしての要素を若干含みますが、作者様の配慮が行き届いているため本作からでも十分楽しむことができます。現実寄りのタイムリープやパラレルワールドに興味をお持ちの方にはたまらないストーリーだと思います。ぜひ手に取って頂きたい素敵な物語です。