泥棒

溜不飲

泥棒

とあるところに泥棒がいた、その泥棒は金品は盗まないのだ、盗むものはその人間の記憶である、そのものがそれから体験するはずの記憶

泥棒がいた、泥棒はあらゆる頼み事を聞いてくれた、泥棒に頼むと泥棒が楽しいと思う方法で頼み事を解決してくれる。

とある人は泥棒に頼み事をした。頼み事は遂行され、大層喜ばれたそうだ、とある人は言った「料金はいくらだ?少し増やして渡すよ」としかし、泥棒は言った「料金なら頂きました。」と言う、とある人は納得できない顔をした、それを察するように泥棒は「私は泥棒です。」と言うとある人は慌てて家に帰った、家に帰ると人が入った痕跡どころか、もの一つ動いた形跡もない、もちろん金品も無事である、もう一度戻るともうそこには泥棒はいなかった。

数年後とある人は問題に直面していた。その問題とは数年前、泥棒に解決してもらった”頼み事”と同様の問題である。とある人はあの時のように、泥棒に解決してもらおうと泥棒を探すが、探せど探せど、泥棒など存在しない、とある人はわからなくなってしまった。

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泥棒 溜不飲 @okiiniiri

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