とこしえのきみの愛

いすみ 静江

病魔の裏に

きみは幸せでしたか?



病弱な私と知り合ったきみ

難病に指定されている病なので

生きている内に治らないそうだ


婚約していたころから病の気配があった

背後のナイフがひたひたとくるような病魔に

ゆっくりと斃された

あまりのことで医療ミスもあり昏睡もした


きみは私に誓う

病気になってしまったから結婚しよう


逃げずに私のサポートをしてくれた

段々沼に沈みゆく私


家でお世話をしてくれた

結婚式に結い上げたくて伸ばしていた髪

お風呂も困難で髪も洗ってくれた


医師に結婚式に耐えられないと告げられ

入院にイエスと言ってしまった


いい医師がいるからと遠く遠く数多の県境をまたいで病院へ入る


病院では薬のせいで夜中に歩いてしまった

拘束されても歩いてしまった

医師は夢遊病という


いいかげんにしろと看護師に叱られる

眠っていたが言葉は残った

副作用をやめられたら私だって助かるが

どうしても苦しい夜を過ごす

翌朝看護師長に相談した

薬のせいで歩いてしまうそうだ

怒鳴らないように配慮してくれるらしい


入退院を繰り返す

入院をするのはいつも紅葉舞う結婚記念日だ

三ヶ月は出られない

寂しい生活をしていた


きみがいたから

きみが信じてくれたから

いつかは優しいママになれると


あれは遠い昔のこと

二十九年前にもなる


捨てればいいのに

別れを切り出しても

メンドクサイから一緒にいる

いつもの台詞で転がして

言葉の裏で本当のきみが

きみがどんな様子だったか


私の安い涙より

枯渇するまで我慢したきみのそれは

眼鏡の奥でバロックに落ちる



きみは幸せでしたか?


もし苦労が続くなら

今から共に歩ませてほしい

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とこしえのきみの愛 いすみ 静江 @uhi_cna

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