誘拐団の奴隷少女 III

第71話

失敗したカフェラテを側にあるガラステーブルに叩きつけて、俺は大きな声で突っ込む。

「なに人様の家に不法侵入して、家主の断りもなく愛用ソファで熟睡してんの！」

「だって鍵がかかってたから」

「そりゃ鍵かかってるさ！鍵かかってたら普通帰るだろ！」

「これぐらいだったら突破できたから」

「突破するんじゃない！何コイツ！常識ってもんがなさすぎ！一般人はそんなことしません！」

「一般人じゃないから」

「あーあーあー、そうでしたね、一般人じゃないですね、そうでした、そーでした！！」

寝ぼけなのかいつも以上に天然で面倒だ。

警部補の俺をここまで振り回すのコイツぐらいなんだけど。まあ警部補もコネだけど。陰でコネ警部補とかお飾りとか名前だけ警部補とか散々言われてるっぽいけど。実際そうだけど。だって他の警部補オッサンだらけで明らかに俺浮いてるし。

いや、俺のコネのことなんかどうでもよくて！

「で、人様の家の不法侵入して勝手にソファで寝てた理由はなんなの」