眠れぬ夜の『16小節のラブソング』 セカンドシーズン

隅田 天美

拝啓 柴田錬三郎先生へ

 お墓参りでは何度も詣でていますは、ファンレターを出すのは初めてです。


 元来なら、それなりの手紙を出す方法があると思いますが、空には番地もない上にどこにいらっしゃるかもわからない。


 なので、このような形でお手紙を出します。



 初めて、あの個性的な墓を見た時、柏手を打ちました。


 お寺のお坊さんにも迷惑をかけました。


 

 話は変わりますが、今、雲の端からこの世界を見たらどう思うのでしょう?


 無気力が蔓延し、金の力が跋扈し、私的には嫌な時代だと正直思います。


 日本中にはびこる無気力感。


 偉い人は、これらを経済の低迷とし、『失われた○○年』と呼んでいます。


 でも、本当にそうなのでしょうか?


 もし、本当にそうなら科学技術は、ここまで進化していないと思います。



 幸いなことに私は子供の頃に祖父母の家で色々な経験をしました。


 その経験が、たぶん、無意識のうちに自分に根付いていると思います。


『勧善懲悪』というものが、どれだけ虚しいものかと良いのも先生の作品で知りました。


 代表作『眠狂四郎』シリーズを見て思うことは、「真面目過ぎるほど真面目な人だな」と思いました。


 人の悲しみや痛みを自分の手が傷ついても救い上げて、その現実を見せつけることです。


 壊れた心の器を「どうする?」と問われている感じです。


 悲しいけど、辛いけど、私たちは、その壊れた自分の器で人生を飲み干さないといけない。


 その事実を先生は教えてくれているのだと思います。


 

 去年、そちらに私の友人が逝きました。


 とても、優しい子なので、あまり怖がらせないでください。


 また、眠くなったので、一回、書くのをやめます。


 ここまでの駄文を読んでくださり、ありがとうございます。



追伸・だいぶ前になりますが、「古畑任三郎」でイチローが出た時、母も私も思いました。


「先生にもチャンスあったんだろうになぁ」

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眠れぬ夜の『16小節のラブソング』 セカンドシーズン 隅田 天美 @sumida-amami

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