スパンコール

華周夏

君といた夏、忘れない夏


夏の日の何となく


君と自転車で行く図書館


静かな館内に響く音は


ほら君が開けた炭酸のペットボトル


まるでスパンコール


音と飛沫が一瞬に弾けて


窓のプリズムと一緒に砕けて


両手に色んな輝きを投げた


僕の心にも


『一口飲む?』


何気ない一言


ただの友達


それ以外何もないのに


『スポーツやってる人には炭酸良くないって』


訳解んない言い訳して


君は一瞬 少しがっかりした顔をして


そして すぐいつもの明るい君に戻って


『そっかそっか』


といって笑った


笑うなよ


怒れよ


君の手から無理やり炭酸を奪って


一気飲みした


君は


「スポーツマンじゃなかったの?」


と 心配そうに言うもんだから


「今日はおやすみ」


と言った


君は すぐいつもの明るい君に戻って


『そっかそっか』


といって笑った


君の隣


ペットボトルの開閉の音


スパンコールの輝きが


窓から差し込むプリズムで


宝石に変わる瞬間


君は目を細めたけれど


こんなこときっと忘れてしまうだろ?


あの頃はめずらしかったけれど


今は何処でも売ってる


甘くない 背伸びをした


ただの炭酸水


君はそれさえ煌めく飛沫を


スパンコールに変えた




───────────《了》

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スパンコール 華周夏 @kasyu_natu0802

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