これは怖い!! いや、謎解き小説としても楽しめる……!!!

 読み終えた後、ミステリー好きとしての血がざわざわと騒ぎ立ててしまいました。

 これは、ある少年が入院中に経験した出来事だったのだが……

 とある看護師が少年の診察に来て、その度に何度も何度も「怖い話」を語ってきたそうな。
 もちろん少年は怖かった。その看護師は一体何者だったのだろうかと。

 その後、少年が知り得た「ある事実」とは……。

 純粋に解釈したら、これはホラーとしてのオチを想像する方も大半かもしれない。でも、改めて他にも想像の余地が色々あるかもしれないとも思えました。

 ミステリー小説ではよくあること。超常的な事柄だと思って周囲が騒ぎ立てる中、探偵役だけはそこに隠された「真実」を暴き立てるという。

 短くまとめた作品だからこそ、読者に想像する余地が残される。ストレートにホラーとして「ゾッとする」として楽しんでもいいし、「何か他にも裏があるかも?」と真相に想像をめぐらせてもいい。

 読者によって、それぞれの楽しみ方が得られる可能性のある作品です。

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