すごく冒険的、そして実験的な作風です。
まずは敬意を表したい! この作品を書こうと思った、作者の「勇気」というものに!
「意味が分かると怖い話」、通称「意味怖」というものがありましたが、解説付きで最終的にはストンとオチ、そしてゾワっというのがテーマになっていました。
この作品はそれの逆を行き、「解説」を読むと「知るか!」となり、「で、結局どういうことなんだよ!」という状況に読者を追い込みます。
でも、これは一つの味わいだと信じられてなりません。
これは多分、「今までになかったコンセプト」になりうるかも。
大半の読者は「意味が分からない!」と言うかもしれない。
でも、そこには意味がある。「意味が分からない!」にも種類があり、作者はそういう分からなさのバリエーション、奥の深さを追求しようとしている。
そんな多種多様な「わからなさ」を提示してくれる本作。読み続けると、もしかしたら「あなただけの宝物」が見つかるかもしれません。
そして最後に、あなたはきっと言いたくなる。「この作品のクオリティ、俺じゃなきゃ見逃しちゃうね!」と。