【創造の彼方へ】〜創造の果てに掴み得たもの〜

ゆゆひなう

創造者

1 創造者

2042年、日本・東京。第三次世界大戦の最中である。


日本はその戦火に飲まれ、東京は廃墟と化していた…わけではなく、当時の総理大臣、槍川蒼影やりかわそうえいの働きにより他国と戦わずに自国の防衛に徹していたため、日本は平和であった。


それでも戦が起こってしまうのが世の常。日本各地で、どこぞの某R国ロシア某N国北朝鮮某C国中国の陰謀で、テロが絶えなかった。


しかし、それでも、人的被害は皆無だった。それは………




彼ら創造者クリエイターのおかげだ。




彼らは


そう、彼らはこの日本で見れる全てを使ってテロを撃退している。


彼らには階級があり、上から順に、白金級スペシャリスト白銀級プラチナランク金級ゴールドランク銀級シルバーランク赤級レッドランク白級ペーパーとなっている。上であるほど希少であり、白銀級プラチナランクは日本に10人、白金級スペシャリストは1人しかいない。


彼らは日本政府の手によって能力を授かっている。司令オペレーターの指示によってテロを鎮圧、または未然に防ぐのだ。


この話は唯一の白金級スペシャリストの話。




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《任務おつかれさま、と言いたいところなんだが、すぐ次の任務へ向かってくれないか?神坂かみさか。》


「はいはい、んで次の任務地はどこだ?司令オペレーター


1/31 10:34 A.M. 神奈川県・新横浜。僕こと、創造者クリエイター白金級スペシャリスト神坂陽也かみさかはるやはイヤホンで司令オペレーターと話していた。


《次の任務地は東京駅9・10番線ホームだ。が、この任務はだ。そのため、品川駅でペアと合流しろ。》


…は?


その瞬間、脳内を凄まじい数の電気信号が駆け巡り、その次の瞬間、脳内を司令オペレーターへの怒りが埋め尽くす。


「え、いや共同任務は無理って僕言いましたよね?えっと…説明してほしいんですけど…」


そう、僕は他人と任務に当たるのは不可能なのだ。それは、自分が複製コピーしたものが攻撃特化のものばかりなため、仲間を傷つける可能性があるのだ。それを仲間に当てないように工夫することもできるが、そうすると操作コントロールに集中せざるを得なくなり、攻撃の質が落ちるのだ。それを詳らかに司令オペレーターに伝えたはずなのだが…


《ああ、大丈夫だ、今回共同で当たるのは白銀級プラチナランク東京担当関東圏担当有坂蒼汰ありさかそうただからな!彼はお前と逆。守備に特化したものが多いから、心配は無用だ!それに、今回の任務は白金級スペシャリストのお前一人では達成不可能だと思ったからこうしたまでだ。》


「あ〜なら、大丈夫かなぁ…?それに、そこまでの事件ならたしかに共同任務っていうのも頷ける…」


《あ、そうそう、そいつとはこれから一生ペアになってもらうからな!》


……は?


さっきよりも沸々とした、もはや憤りに近い怒りが脳を埋め尽くす。


一瞬でも期待した僕が馬鹿だった…司令オペレーターは僕に嫌がらせをしたいんだろうな…


その瞬間、僕は思った。この、司令オペレーターは…性格が渦巻よりもねじれていると…


そして、その瞬間、僕は悟った。この司令オペレーターのいたずらは防げないのだと…


「はぁ…なんてことしてくれたんですか…」


《ん?なんだ?》


「あーはいはい無視ですかそうですか…」


気の抜けた返事をし、司令オペレーターとの通話を切断。最後なにか言いたげだったが、自業自得だ。「さて、品川かぁ…新幹線でいくかぁ」と独り言をつぶやき、切符をネットで買い、ホームに入る。すると、乗る予定の『のぞみ86号』が入ってきていた。すぐさま僕は9号車に乗り込み、席に座る。すると、新幹線は滑るように新横浜を出発していった。


品川に着くと、僕は新幹線の改札を出て、続いて中央改札を出た。そこには、


白銀級プラチナランク有坂蒼汰ありさかそうたが時計塔の下で、目を輝かせて待っていた。


「あ!神坂さん!!」

そう彼はいい、僕の方に、まるで子犬みたいに駆けてくるのだった。

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