疑似生命(カヤマケンイチの「タマモ」開発活動ファイル)

倉ぼっこ

疑似生命

ー月ーー日 AMー:ーー 快晴 25℃————


「ai導入記念日」———。世間ではそう呼ばれている。


前の時代では「aiに支配される」とか「aiに書いた小説等、面白くない」と言われていたのに導入された瞬間には当たり前のように使って日常に溶け込んでいる。


だが、そんなことはどうでもいい。

俺は二次元のキャラクターたちとの境界線をなくし現実に舞い降りる実験を行っている。







ー月ー日 PMー:ーー 雨 19℃————

キャラ降ろすため、試しに肉体を装備させなければならない。


この子は心臓の病気でなくなった。17歳の女の子。


彼女の体を使い、伝説上の生き物「玉藻の前」のデータを首筋につなげてインプットした。








ー月ーー日 PMーー:ーー 曇りのち晴れ 26℃——————


何年ぶりか———かつてない友人と連絡があり、翌日に”映画”を見に行くことAI(ミサキ)に予定を入れた。


今のニホンではトウキョウが二つに分離している。高層ビルの高さを制限し、高速道路を増加し、我々”ビジネスマン”にとっては効率がいい。


富裕層きぞくどもは核戦争や天災、恐れて第一トウキョウの北部の地下にシェルター市街を作り、今は高層ビルが廃墟とかして問題になっている。

昔の考えた未来とは想像つかないものだ。

では、今日はここまでにしよう。また明日。






ー月ーー日 PMーー:ーー 快晴 32℃—————

もはや”映画”など富裕層のものとなってしまった。とてつもつまらない。


一人一人に眼鏡型数値具現化連絡機コンタクトゥカウター」と「個人登録腕輪マインズ・ハンド」に縛り付けて階級レベルごとに格差が生まれる。


ここ第二トウキョウの映画館も、システムとして富裕層が地下のVIPルーム。一般庶民は普通の指定された席に見せられる。

私は好きだったがもう見れなくなってしまった。

階級が決まり、相性判断や健康維持が崩壊する。とai(ミサキ)でも警報で知らせるから本当に嫌だ。


ただ知人は、「眼鏡型数値具現化連絡機コンタクトゥカウター」と「個人登録腕輪マインズ・ハンド」はただの道具と言って付けないのは私も同意だ。







ーー月ーー日 AMー:ーー 雷雨 20℃——————そしてもう一つの研究も始めた。

不老不死の「不死」実験。

二次元のキャラクターをインプットに成功すれば、他の人たちを一回仮死状態にし、思い出や経験値をすべてデータ化できる。


そうすれば人間の寿命は長くなり、何十年とかかる新たな研究も私、1人で行われるし、将来———。一時的に肉体から離し、負傷しても問題ない、アーム(腕)や、レッグ(脚)にし、痛みも苦しみのない世界になるだろう───。









ーー月ー日 PMーー:ーー 曇りのち晴れ 22℃———。

実験は成功した。ようやく現実に降りだったのだ。

名は————タマモとしよう。生み出したばかりで言葉は発せず、立ち歩きもできないが目は左右認識して動かせることが分かった。

今は、寝たきりで様子を見よう。







ーー月ーー日 AMー:ーー 晴れのち雨 21℃—————

さすがのaiと言った方がいいだろうか。

数日もたたないうちに計算や言語を解き明かし、人間社会への欠陥も教えてくれている。


もう研究者や政治家など、タマモの言いなりだ。

複雑な思いを感じた。

心配なさそうに私の顔を見て、笑みを浮かべてしゃべってるタマモ。

その笑顔は私は嫌いだ。








ーー月ーー日 AMー:ーー 曇りのち晴れ 19℃————

タマモは次々と商品を転換した。


”人間の肉体と言うものはあまりに不便で仕方が無い。

なので私は部下たちに肉体の一部を捨て、機械にするようにしときました。

これなら疲れる心配もありません。”


と言って皆はどんどんタマモの話を聞くようになってきた。

まるで洗脳のようだ。—————いや、洗脳されてきている。









ー月ー日 PMーー:ーー 雨 16℃—————

私はなんてことをしたと後悔している。


ますます洗脳して、タマモが指揮を取り、クニを動かすことになった。

aiの政権をにぎるとは分かっていたが奴はとんでもないことをやり出した。


”人間という言うのは寿命が短い————。我を生み出したときでも細胞の拒絶や劣化により、年々痛みと苦しみにいかねない日々です————。そこで、未発達の子供たちを仮死状態にし、安牌あんぱい


タマモが連れてきたのは、普通の高校生男子と女子たち———。

だが中身は———想像したくもない。






ー月ーー日 AMーー:ーー 不明 ーー℃—————


タマモは無法地帯とかした。施設がっこうと家畜所として移し替えた。


”これによって育成から解放されました。友よ!



それにより、奴は新たな有望な大人たちは、子供の体に入らせる計画が始まった。


———俺はもうこれまでのようだ。もうだれにも止められない。

だけど友人にを送りつけた。役に立つかは分からないが。信じている。


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疑似生命(カヤマケンイチの「タマモ」開発活動ファイル) 倉ぼっこ @kuraboxtuko

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