天使の羽〜好きになったのは君でした

起き上がる

第1話イジメられっ子

僕は、毎日、下校時になるとカバン持ちをさせられていた。


上野友赤は、可愛い顔をしていて女子の人気者。友赤は、そんな男らしくない自分を嫌っていた。そんな友赤は男子から嫉妬され陰でイジメを受けていた。


「お前、ちょっとツラが良いからって調子乗ってね〜か?」


クラスの男子から執拗なイジメを受けた。そこに転校生の甘木治が来て


「上野をイジメる奴は俺が許さない!」


と守ってくれた。


治は、喧嘩が強くて正義感も強かった。


「上野、お前強いよ。さすが神様が選んだ天使だな。」


ある日の帰り道に治に言われた。


「ぼ、僕が天使?」


治の言う事が理解出来なかった。


「俺は、堕天使。天使だけど人間の女好きになっちまって人間に罰としてなった。その代わり上野、お前が神様と天空に住む天使になるんだ。」


「だとしたら、僕には天使の羽が生えるの?」


時が来ればわかるさと治は言った。


治が、風邪を引いて休んだ日に僕はいきなり殴られ蹴られ、袋叩きに遭った。僕は、天使にはなれなかった。しかし、治が次の日に来るとイジメは無くなった。


「お前、その傷。」


治は、キレてイジメの主謀者を学校内の敷地にある古い井戸に突き落として殺してしまった。治は小学生だが逮捕され保護処分となった。


僕は、治がイジメの主謀者を殺した瞬間に背中に羽が生え天使になった。空に飛び出して治の家の前に行き、治が玄関から出て来た。


「行くのか?」


治は、寂しそうに僕に聞いてきた。


「ああ、行くよ。」


と言って羽を瞬かせて一気に天空へと飛んだ。


治が好きになったのは上野友赤だった。性別も種族も関係無かった。







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