羽なんかいらない。

下級天使は天界から追放され、下界で生きることになる。
それが世の中の理だ。
天界は日々増え続ける天使に頭を悩まされていた。
そんな時発案されたのが天使下界移民運動だ。
その運動により、下級天使は羽のついた人間として生活を送ることを余儀なくされる。
だが、その天使の羽は、人間たちにとっては物珍しいものなのか、好奇の視線で見られることも屡々。
だから、この羽の所為で私は普通の人生を歩めない。
私はどうしようもなくこの羽が嫌いだ――――。