ああ、異世界に生まれた栄誉を謳歌しよう

　学園に通う公爵令嬢は、転生した存在。王子の婚約者だったが、王子は「聖女」と認定された少女と恋仲に落ちていた。
　聖女と認定された理由は、その類い希なる攻撃魔法故。
　それは過去プレイした乙女ゲームの設定であり、自分が悪徳令嬢側だと気付いた。
　王子に未練は無く、以下に身を引くか考慮していた矢先。
　従兄弟が、王子と聖女を褒めそやした。日本語で、それぞれの言葉の冒頭に「あいうえお」を付けて。「さしすせそ」で褒めるテクニックのように。
　ただ王子達にはこの国の言語で伝わるため、「あいうえお」で揶揄されているとは気付かれなかった。
　従兄弟もまた転生者であり、茶番に付き合う余興と答えた。
　その後聖女から、妬みを発端とする嫌がらせを受けるようになる。しかし令嬢は治癒魔法の使い手で、それらを駆使し…続きを読む