これはよくあること

バブみ道日丿宮組

あれは

 高校デビューといえば、青春の始まりみたいなのを創作物でよく見る。あぁいうのは中学生活が闇の人が変わろうとしてってのが大筋にあると思う。

 事実、中学……僕は浮いてたなと思う。

 だからこそいじめを受けてた。

 とはいえ、いじめっこが何をしても最後には【彼女】の耳に入るので次第になくなったから、いじめがあったのかというとそうでもないかもしれない。

 ただ、そのせいで話す相手も必然的に彼女以外いなくなった。

 本当……僕が教室にいるだけで空気が悪かった。

 休憩時間に隣のクラスの彼女がきてくれることだけが救いだった。

 そんなこともあって、高校は隣の県にあるところに決めた。

 彼女がそこに進学することもあるし、友だちがまた増えるかもしれないという安易な志望理由。

 僕の両親、彼女の両親は、僕たちの恋愛関係を実に喜んでる。はやく孫の顔がみたいまでいってくるのだ。成年でもないのに何を言うのか。

 ーー嬉しいけれど。

 そういうわけで高校は一旦同棲してみて、結婚したいかどうかを実験しようという話になった。

 彼女は完璧で究極。どんなものでもナンバーワン。高校入試もトップ1だったらしい。僕はといえば、40位ぐらいの悪いのかいいのかわからない点数だった。いろいろと勉強を見てもらったのに、彼女に悪かったと思う。


 高校初日は、彼女と一緒に出ない選択をした。

 数分前に笑ってた彼女が、すごい怖い顔になったのはしばらく忘れそうにない。

 まともな人なら、『あの男はやめておけ』と口を酸っぱく言うだろう。

 僕も同様な答えだ。

 彼女にふさわしいのか何度も考えてしまう。

 春休みは幸せの毎日だった。

 ただ二人で外に出て、手を繋いでると周りがひそひそと話す感覚がずっとした。

 わかってる。僕は当てはまらない。彼女が神で、僕は貧民だ。

 暗い感情はすぐ彼女に伝わるので、夜は彼女の胸で毎度泣いた。彼女は優しく頭を撫でてくれたのが余計に涙腺に響いて、やがて朝になってた。

 今日はそんな彼女とは別行動で学校に行く。

 同じクラスになるかはわからないが、中学と違って高校での進歩を僕はしたい。彼女なしでもせめて普通の学生でありたいと思う。

 中学みたいにあいつと関わるとあとが怖いなんて話を作るわけにはいかない。

 色々考えながら、マンションから学校に向かう。

 歩いて15分程度の物件なので、同じ制服をきた学生が一直線で学校に向かう列に並び空を見た。

 太陽光が僕を穿いた。


 結果だけでいえば、デビュー失敗かもしれない。

 

「えっと、その……なんでしたっけ?」

 自分のことを話すのは苦手だ。

「自己紹介。本読むんでしょ? どんな本を読むのかって聞いてるわけ」

 どうして話さなきゃいけないのか、疑問に思う。

「話したくない? それでも私はいいと思うけれど、友だち増えないよ?」

 担任はやたらと友だちを作れと、どの生徒にも言ってる。

 僕だけじゃない。けれども僕が一番多い気がする。話せない人はいないけれど、基本的に教室では一人。

「……ホラー小説と恋愛小説を読みます」

 言わなきゃ終わらない気がして、言葉にした。

「ほほう。繋がりがなさそうなコンビね?」

 彼女が好きだから僕も読んでるだけにすぎない。

 読むなら愛と友情と勇気の漫画が大正義。これを彼女に言えば、おそらく大激怒だろう。

 彼女はやたらと自分のものを僕に当てはめる。

 王子様だったり、ナイトだったり。

 それをするために読まされてるともいえる。

 嫌いではないし、光栄だと思う。

 

 でも、孤独は孤独。

 

 彼女がいようがいまいが、僕自身あまり関係ないかもしれない。

 ありきたりではあるが、自分っていうのがいけないのかもしれない。

 もっと自分を知れば、彼女を思う気持ちも変わるかもしれない。

 

 だから、僕は高校デビューに再度挑戦したく、休憩時間にグループへと向かった。


 その日の夜また彼女の胸の中で泣いた。

 成長しないな、僕は。

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これはよくあること バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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