美しい文体に定評のある小野塚さまが、さらに感性を研ぎ澄まして作り上げたひとかけらの世界。自然に感動しながら、想像の世界をたゆたいながら、またいろんな作家さまの世界にどっぷり浸りながら、吟味し尽くした言葉が燦然と輝いています。
俳句や短歌を気軽に楽しむのって小粋だなあと思わされる作品集です。
気に入った句を三つだけ、ご紹介させてください!
* * 下記引用 * *
吹き荒ぶ春の麤に冴えざえと 夜烏の聲 月に流るる
春雷の 降る 桜 雨
凴々と 朧月夜に 魂呼ばい
* * * * * * *
ひとつだけ、苦言を呈させていただくならば、ご紹介される作家さまの作品世界を表した歌や句が素敵過ぎて、読みたい作品が増えすぎてしまうこと!
始めに、俳句でなく、短歌をお借りします。
嵐吹く 三室(みむろ)の山の 紅葉葉(もみじば)は 竜田(たつた)の川の 錦なりけり
能因法師(のういんほうし)
小倉百人一首に収められた一首です。普段は水ばかり流れる川が紅葉により赤く染まった様子が目に浮かびます。
この句集は作者様の日常から着想した句も含みますが、多くはカクヨムに掲載された作品から着想を得た句です。言わば作品の落ち葉のようなもの。それも艶やかに色づいていて。
紅葉が染める川は鮮やかで、目線を上げるとそこにはカクヨムという山に色づいた木々が広がります。「その例えだと季節が秋限定」というツッコミはご容赦を。ものの例えですので。
絶景かな。