これぞ人情! これぞ幸せ! 五百円で得られる魔法の時間

 読んでいて幸せな気分になる、あたたかい作品です。

 とあるラーメン屋台。そこにやってくるお客たち。
 このラーメン屋台には、いくつもの笑顔がある。気のいい店主はチャーシューを一枚おまけしてくれたり、この時間を志向の贅沢だという客がいたり。

 濃厚な味噌ラーメンの美味しそうなイメージと共に、それを食べる彼らの心があたたまる様子や、提供する店主たちも満たされて行く感じがしみじみと伝わってきます。

 それこそ、ラーメンスープを口に含むかのように、本作を読み進めていくごとにじんわりとあたたかいものが胸に広がるのです。

 五百円払うことで「その日一日」を幸せなものにできる。屋台で食べるラーメンって、なんでこんなに美味しそうなんだろう。
 こういう時間の過ごし方っていいなあ、と感じさせられ、とても満足させられる作品でした。

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