薔薇色の人生
おじさんさん
華
それは突然に目の前で起きた。
私の人生において投身自殺を目撃することなんてまずないと思っていた。
そのない事が今、起きた。
その瞬間、つまり人間が地面に衝突する音。
骨が折れ、頭蓋骨が割れ、内臓が潰れる音を何と表現するのだろう。
人間はそんな姿になってもすぐには死ねないのか、衝撃的な場面を見たからなのか。
その女性だった物が目だけになった眼球で私を見た様な気がした。
それから数日、この件を忘れかけた頃から私のまわりで不可解な出来事が起こる様になった。
誰かに見られている気がするのだ。
ふと視線を感じた方を見ると女性がふわりと立っていた。
見覚えのない綺麗な女性だった。
それからずっと私を見ている。
数週間続いた頃、私は私が見ているものに哀れみな気持ちなのか、同情心からなのか心が移っていった。
この世の者ではないのだろう生気のない手つきで私を手招きしている。
なぜ私なのか。
人間は自分の意思とは関係なく突然に理不尽な終わりを迎える時がある。
交通事故、火事、病気、事件に巻き込まれることもあるだろう。
私にとってのそれは、この女性なのだろうか。
私はビルの屋上に立っている。
あぁそうか、このビルはいつか投身自殺を目撃したビルだ。
女性は最後に見た私をあの世の
私は。
地面は血で赤い薔薇色の模様ができていた。
それは愛する女性へのプロポーズの薔薇の華の様に染まっていた。
薔薇色の人生 おじさんさん @femc56
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