【お題で執筆!! 短編創作フェス】不可能 or 夢叶う【薔薇色】

薔薇色ってどんな色ですか？

　夢や希望をして、前途有望な様を「薔薇色」と言います。しかし、それは具体的には「どんな色」をイメージしているんでしょう。

　赤？　白？　黄？

　青は……ありませんね。薔薇の原種には青く発色する成分であるデルフィニジンを合成する酵素遺伝子がないため、長らく「青い薔薇を作るのは不可能」と言われてました。

　青薔薇の花言葉は『不可能』でした。（過去形）

　１８８８年に描かれた絵画『ヘリオガバルスの薔薇』では、ピンク色の花弁が画面一杯に散らばっています。ところどころで赤や白の花弁も見えます。

　この絵画は「邪悪な男の娘」皇帝ヘリオガバルスが、招待客を数トンの薔薇の花弁で窒息死させた場面を描いたものなので、夢や希望の「薔薇色」とは違いますが、薔薇の色としてはこの色が一般的なイメージだったと思います。

　遺伝子技術によって青薔薇が作られました。

　長い研究の末に、パンジーの酵素生成遺伝子を薔薇に組み込んだそうです。日本のサントリーにより作られた「サントリーブルーローズ・アプローズ」は、本当に青い。

　昔に薔薇園でスターリングシルバーやブルームーンを見た時には「そう思って見れば青」程度の青みでしたが「サントリーブルーローズ・アプローズ」は、誰もが青い花だと思うはずです。

　今の青薔薇の花言葉は『夢叶う』で、挑戦する人への贈り物とされているそうです。

　青薔薇の花言葉も『不可能』から『夢叶う』になりました。

　前途有望な様を示す「薔薇色」も、ピンク色から青のイメージになるかも知れませんね。

薔薇色ってどんな色ですか？　ー終わりー