戦争の天才の妻は恋愛の天才だった

 ナポレオンの妻が浮気しまくっていて、それによって窮地に陥るのだけど、それをうまく利用しようとする者が現れて、彼女自身もまたそれを利用して起死回生を図ろうとして――と汚ない大人たちの政治劇が本作では十二分に楽しむことができます。

 ナポレオンではなく、その妻に焦点を当てたところに、この作者の文学的なセンスの高さを感じます。

 文章から如実に感じるその深い背景知識と筆力の高さによるものか、ナポレオンってこんなやつだったんだろうな、と読んでいて感じさせられました。

 この妻に関してはハッピーな結末を迎えるので、不幸な結末が苦手な人は安心してお読みください。
 ナポレオンに関してはその後あれですが……まあこの作品の範囲外のことですね。

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