謎の鬼火の正体。そして現れる、謎の黒スーツの男の正体は?
- ★★★ Excellent!!!
描き方が巧みで、とても引き込まれる作品でした。
三話構成で、それぞれ主人公が異なります。
一話目の主人公は電車のある雑誌を見つける。そこで「鬼火」が出るという峠の話が出ているのを見る。
直後に、謎の黒スーツの男が現れ、「イヒヒ」といかにも怪しそうな笑いをしつつ、「鬼火の正体はなんだと思い、あすか?」と問いかけてくる。
この辺りまで読んだ段階で、強烈に引きこまれました。
「鬼火の正体はなんだと思うか」と問われ、「武士か何かの霊なんじゃ」と答えると、「そう思いますよねぇ」と笑われる。
え? それが答えじゃないとしたら、鬼火って一体何なんだろう?
この段階でもう、ミステリー的な好奇心が刺激されます。一体、鬼火の正体とはどういうものとなっているのか。そのままノンストップで二話目に突入です。
そして主人公が変わる二話目。その結末まで見ることで、「第一話のここと繋がるのかな」とパズル的な満足感。そこから三話目に入ります。
好奇心の刺激の仕方と、構成としてのパズル的な満足感。組み立てがとても巧く、非常に読み応えのある作品となっていました。
怖いだけじゃない、ミステリー的な面白さも提示してくれる本作、オススメです。