第2話 ただいま
扉を開けた瞬間。
君は、包み込むような声で「おかえり」と言う。
全て察したようなトーン。
失敗した時は優しく。
成功した時は僕より喜ぶ。
もう全てお見通し。
何かあったのか読まれ不貞腐れていても、何のその。
友達から恋人。
恋人から妻。
子供も生まれ家族になった今も。
君はそれを受け止めてくれる。
君と一緒になった日から、想いのこもった「おかえり」に何度救われてきたか。
挫けそうな時。
泣きたい時。
逃げたい時。
そんな時、扉の向こうで「おかえり」と言う君の姿が浮かんだ。
だから、僕は「ただいま」と言う。
僕と一緒になってくれて「愛してくれてありがとう。信じてくれてありがとう」という想いを込めて。
これは明かしたいが、恥ずかしくて言えない。
冴えない男の本音。
帰る場所 ほしのしずく @hosinosizuku0723
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます