第2話

 待ち合わせ場所で会った時もきれいめカジュアルだったけれど、今は所謂ストリート系ファッション。


 無地の白いシャツ、太めのデニム、重厚感たっぷりのスニーカー。


 職場でもある高校の生徒に気付かれたくないとのことだったので、私の友達が働いているお店で全身コーデしてもらった。


 美容室でセットのみしてもらった髪はおでこが出ていて爽やかな感じだし、朝陽さんのこと知っている人がパッと見ただけじゃ分からないと思う。


 気が付くとしたら、朝陽さんのことを好きな人。


「その格好も似合ってますよ」


「本当ですか? こういう服は初めて着たので、そう言っていただけて嬉しいです」


 あ、照れてる顔も好き。


「男性も服装と髪型で印象が変わりますよね。これで気兼ねなく食べに行けるんじゃないですか」


 生徒達の間では厳しいイメージらしく、スイーツ食べに行く時は遠くのお店ばかり選んでいたとか。


「莉帆さんが良かったらでいいんですけど、また付き合ってもらえますか? 他にも気になっているお店があるんです」


「えぇ、もちろん」


 私も自分磨き頑張らなきゃ。

 朝陽さんの魅力が他の人にバレる前に、彼女になれますように。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私だけの秘密 安東アオ @ando_ao

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画