私だけの秘密
安東アオ
第1話
「お待たせいたしました。デラックス苺パフェのお客様」
「私です」
小さく手を挙げたあと、目の前に置かれたのはインスタ映え間違いなしの可愛いパフェ。これでもかってぐらい苺が盛り付けられていて、ボリュームたっぷりで美味しそう。
「季節のフルーツパフェでございます。ご注文は以上でお揃いでしょうか?」
「はい。ありがとうございます」
向かいの席で店員に笑顔を向けているのは、少し前に参加した婚活パーティーで知り合った葉山朝陽さん。
今日は、ネットで話題になっている朝陽さんの職場近くにあるお店に来ていた。スイーツ店巡りが共通の趣味なこともあって、意気投合したのがきっかけ。
二つ揃ったので撮影タイム。
パフェには手をつけず無言でパシャパシャ。朝陽さんも真剣に撮っている。
「あの、本当にありがとうございました。ここに来れたのも莉帆さんのおかげです」
さっきの笑顔が私にも向けられた。
頬張る顔がとっても幸せそうで、見ているだけで癒される。
第一印象が無口で真面目そうな人だったから、この顔を初めて見た時は衝撃が走った。
これがギャップ萌えってやつかって思ったし。天使みたいな笑顔だ、とも。
「お役に立てたなら嬉しいです。生徒さんにバレないといいですね」
「この格好なら絶対にバレないと思います。初めて見た時、自分でも誰だよって驚きましたし」
そう。初めて朝陽さんに会った時と今の雰囲気は全く違っていた。
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