第3話 関東圏侍化計画〜埼玉県民の反抗〜
ちなみに言うと。徳川埋蔵金はオサムライだったのである。
先に述べた生活安全課の刑事二人はサムライ達の歓迎を受ける。
「よく来た、現代の武士よ。」
「ワシ達はスグ斬ったりせんよ。」
刑事二人は内心怯えつつも有効な関係を築けるのでは無いかと表面的には安堵した表情をうかべる。
「あの…」
部下が切り込む
「オサムライさん達…今が西暦何年なのか分かるの?」
サムライたちは少し考えてから答える。
「ふむ…先の少年が言うところに寄ると。西暦2700年前後であろう。」
別のサムライが続ける
「このあほう。7200年であろう。」
喧嘩が起きるのではないか…。と、ソワソワしていた2人の目の前で”事”は起こる。
「でぇぃッッッッッ」
サムライ…いや、こうなれば武士である。
斬りかかったのだ、同志に対して。
後に後輩刑事の永遠寺は語る。
「ルパン三世で石川五右衛門がクルマなんかを斬っちゃうシーン、アレですよアレ。あんなの嘘でしょ!?っと…思ってても内心『刀なら斬れるんじゃないか』と、そう思ってるわけですよ」
続けて話す。
「本当だったんですよッッッ!」
刑事は嬉し涙を見せながら楽しそうに語る。
「斬ったんですよッッッ!サムライがサムライの腕を!刀でッッ!」
時は先のサムライのケンカに戻る。
「少年は今が西暦2786年跳夢(びよんど)32年だとしっかり教えてくれたであろうにッッッッッ!!」
「そんな奇っ怪な名の時代があっては堪らんわッッ!」
2人は絶句した。
「腕を斬られ、俺たちであれば声も出ぬであろうこの状況に、コイツらは何をやってるんだろう。」と…。
「先の少年もそのようなトンチキを言ったので斬ったッ!」
「それはウヌの早とちりであろうがッッ!」
そこに現れたるは現代のサムライ。名は……
「………」
「?…」
サムライ二人は固まる。
そして続ける
「その一振。誰が打った。」
途端に空気が変わるのはシロウトでもわかった。
「ワシの一振、名刀『寿本々(すっぽんぽん)』…。打ったのは天才と称された現在の刀鍛冶、杉本 刀創路(すきもと かたなつくろ)である。」
「ほぅ…ッッ!」
これが現代における戦国の幕開けとは、その場にいた全員の誰もが思いもしなかった。
越谷市埋蔵金伝説〜そして7つの光へ〜 海老原・F・タイセイ @jagaliko
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