チートを駆使して異世界でのんびりスローライフを送りたかったあたしは今スローロリスで生命の危機に怯えている
カワウソ
大蛇に睨まれて動けない、まぢやばい(>_<)
親友だったユッコに裏切られたうち?あたし?......あたしにするね。ごめんもう一回。
TAKE2。
親友だったユッコに突き飛ばされたあたしは、ユッコのストーカーが振り回した
え、二回死んでる?……まあとにかく、そんな感じで死んだわけ。
見て↓。これ、あたしが書いた小説のタイトルと閲覧数。めっちゃやばない?
◯ユッコに格下扱いされたあたしは、異世界で復讐の鬼となる (PV数5 ☆1)
おかしいでしょ。なんであたしがユッコに馬鹿にされなきゃいけないの!?死んだのも、守ろうとしたっていうか、ユッコに腕を引っ張られて「あっ」と言ったら刺されてたし。え?逆に誰が☆を入れたか気になる?あたしも気になるわ。つまんないのくらい自分が一番よくわか
<早く話を進めろー もう茶番は飽きたぞー
ごめんって。ブラウザ閉じないで。分かった、さっと流れをまとめるとね。
あたしは死んで、そしたら女神さまがきて、めっさ面倒くさそうに、「次何がしたい?」っていうの。。あたしもイラっとしたけど、この展開って「そういうこと」だって察したから、「異世界に転生してチートにスローライフがしたい」と願ったのね。で、そんな感じになるって思うじゃん。なろう系展開を知ってたら。
気がついたらあたしは、スローロリスで、目の前に大蛇がいて、ガタガタ震えて動けないってわけ。状況説明終わり。今更だけど、「スローロリスってなに?」って人は、適当に画像検索してね。説明している余裕はないの。だって。
大きな顎をパカっと開いた蛇が、あたしを丸呑みにしようと飛びかかってきたから。
急速に膨れ上がった大腿四頭筋が、蛙のように樹木を蹴り飛ばし、あたしはマジ卍とばかりにゴロゴロと落ち葉の上を転がった。空振りした蛇は、舌をチロチロと出し入れさせながら、ゆっくりと後ろを振り返る。助けて。マジやばたにえんの麻婆春雨。
オタオタと蛇から後ずさっていたら、ぬるりとした温かい感触を覚えた。これは...血?あかん、匂いがついてもっと逃げられなくなる。あたしは寝っ転がっているあたしの死体を踏みつけてエエエエエなんでどういうことやねーん。
急展開すぎてついていけない?問題ない、あたしも同じ。マジ卍回避術で坂を転がり落ちながら、あたしは必死に死ぬ間際を思い出した。OK。あたしとユッコは昆虫採集のため、マレー半島の熱帯雨林に来ていて、ユッコは日本から追いかけていた植物学者のストーカーに狙われて、あたしは犠牲の犠牲、その犠牲になったのね。そういや、ユッコは逃げ切れたのかしら。あら、こんなところに死体が二つ転がっているなら、そういうことね。
とうとう追い詰められたあたしは、ユッコとストーカーが折り重なった死体に背を預け、迫り来る蛇と対峙した。グッバイ今生。もしまた女神とあったら、どうしてこうなったのか問い詰めてやる。けれど蛇は、それこそ蛇に睨まれた蛙のように。ピシリと石化したように動かない。そして、幽霊でも見たかのようにこっちを見て、まさかのセリフを……。
「シー。シッシー。シー」
そうよね、あたし蛇語なんて分からないし。だけど。
あたしは御都合主義的な展開で理解した。あたしがスローロリスに転生したように、ユッコは大蛇に転生したんだって。悔しい。転生した先の人生...じゃなかった。スローロリス生でも、あたしはユッコに見下ろされている。ふざけんな。あたしはそばに転がっていた
人の法律も倫理もどうでもいい。あたしは今、復讐の鬼になる。
「伏線回収斬りィ!!!」(決め台詞)
「キシャー!!!」(断末魔)
「...どうっ」(仇敵が倒れる音)
あたしが投げつけた
あたしは血のついた
あたしはこの熱帯雨林を生きていく。
チート能力をもったスローロリスとして。
おしまい。
チートを駆使して異世界でのんびりスローライフを送りたかったあたしは今スローロリスで生命の危機に怯えている カワウソ @otter3498
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