愛のどんでん返しが止まらんのよ
- ★★★ Excellent!!!
主人公へある日、元恋人から「過去の交際を奥さんに知られたくなければ、五千万円用意してください」という脅迫文を受け取るところから始まる本作。
時を同じくして、彼の元には差出人不明のポストカードが毎月送られており、そこには意味深な詩が書かれている。
主人公に過去に複雑に絡み合う人間模様と、愛憎含んだ過去と現在の選択を迫られるような胸が苦しくなる作品――
だと思ってました。
違いました。どんでん返しもどんでん返し、もう「これこれ!!!!」という望んだ結末で締めくくられて。
過去の恋愛が現在の生活に影響を及ぼすという、サスペンス要素を絡めつつ、苦しくも切なく温かい愛が散りばめられている。
恋人からの脅迫文は衝撃的ですが、理由を知れば涙がツーゥっと流れます。
過去の描写からの現代の答え合わせがね、なんとも言えませんの……主人公と元恋人の関係性がリアルに描かれているのも魅力。元恋人存在が、主人公にとって救いでありながら、脅威にもなっているという……
で、そこに奥さんがね……いやぁ奥さんもまぁすごいですよ……(ネタバレになるので伏せます。読めばわかるから)
「過去の関係は清算できるのか?」という問いが物語全体に漂い、読者も勇気とともに葛藤することになるのでは?
元恋人に驚かされるばかりです。良い意味で。
すごいいい作品でした。映画で見たい。元恋人役はあの人がいいな〜〜と、思いながら読んでました。
誰かって?それはネタバレになるから言えません。