帰る

@curisutofa

帰る

『ただいま戻りました。男爵バローン夫人様』


『お帰りなさい帝国騎士ライヒス・リッター殿♪。雪が降って来たようでしたので、少し心配をしていましたわ?』


旦那様が猶子ゆうしとして、当家の新たな家族の一員として迎えられた帝国騎士ライヒス・リッター殿は。美しい金髪ブロンデス・ハールを揺らしながら、完璧な所作にて恭しく深々と御辞儀をされますと。


『御気遣いを賜りまして、心底よりの御礼を申し上げます。男爵バローン夫人様』


帝国騎士ライヒス・リッター殿は金髪ブロンデス・ハール瑠璃之青アツーア・ブラオの瞳をされていられます、中性的な絶世の美貌の持ち主の殿方ですけれど。一緒に出掛けていられました、義妹いもうと淑女マドモアゼルに対して優しい眼差しを向けられまして。


書店ブーフ・ハンドリングにて買い求めました参考書を使い、義妹いもうとの勉強を見てあげようかと考えております。男爵バローン夫人様』


帝国騎士ライヒス・リッター殿による優しい言葉に対して、旦那様が養女として当家の新たな家族の一員として迎えられました淑女マドモアゼルは、兄君あにきみと同じく金髪ブロンデス・ハール瑠璃之青アツーア・ブラオの瞳をされている美少女ですけれど。同性の女性である私から見ましても、目を奪われて魅了される可愛らしい笑みを見せられまして。


『とても嬉しいですわ。御兄様♪』


旦那様は一代にて、平民身分の生まれから帝国の君主であらせられます皇帝陛下により、男爵バローンの爵位を叙爵じょしゃくされまして、貴族諸侯という止事無やんごとない身分となられました立志伝中の御方ですけれど。旦那様も正妻の男爵バローン夫人である私も、平民身分に多く見られる黒髪シュヴァルツをしていますから。金髪ブロンデス・ハール瑠璃之青アツーア・ブラオの瞳をされています、帝国騎士ライヒス・リッター殿と淑女マドモアゼル兄妹けいまい猶子ゆうしと養女とされる事により、当家の家中は非常に華やかになりましたわね♪。


帝国騎士ライヒス・リッター殿は、本当に優しい殿方ですわね♪』


笑顔にて話した私に対して、淑女マドモアゼルも満面の可愛らしい笑みを見せたまま、優雅エレガントに恭しく深々と御辞儀をされまして。


『はい。男爵バローン夫人様。御兄様は本当に御優しい殿方ですわ♪』


帝国騎士ライヒス・リッター殿と淑女マドモアゼルは、美しい容姿だけで無く非常に礼儀正しい兄妹けいまいでもありますから。旦那様の猶子ゆうしと養女となられた後も、私の事は男爵バローン夫人様と呼び慣わすのは、礼節れいせつわきまえている若者達であると感心をしますのと同時に、一抹いちまつの寂しさも覚えますわね。


『雪が降る中を歩いて帰って来たのですから、勉強を始める前に少し身体を暖めた方が良いですわね。家族で一緒にお茶にしましょう♪』


私の提案に対して、帝国騎士ライヒス・リッター殿と淑女マドモアゼル兄妹けいまいは、揃って御辞儀をされまして。


『『はい。有難う御座います。男爵バローン夫人様』』

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