トラックに轢かれそうな女の子を助けて死んだ俺氏、最弱スキル「成長促進」で異世界最強を目指す

カナデリア

第1話 異世界転生

 朝7時から終電の24時まで働き週1日休みがあるか無いかのブラック企業に勤めている死んだ目をした26歳の斎藤卓也さいとうたくや。唯一の楽しみは通勤と退勤時に見ているアニメと漫画だけだった。ある朝、駅に向かっている最中赤信号のため交差点でなんとなく車を見ながら待っていると赤信号なのに全く速度を落とさず、それどころか逆に速度が上げながら交差点に近づいてるトラックがあった。トラックの運転手を見ると口から泡を吹いて気を失っているように見えた。幸い朝が早く交通量と通行人が少なくトラックの単独事故で済みそうだと思いながら警察への通報の準備をしながら交差点を見るとジャージを着て単語帳を見ながら通学している女子高生がいた。女子高生は単語帳に集中しておりトラックに気づいていなかったため声を掛けるより先に咄嗟に体が動いて女子高生を突き飛ばした直後、体にトラックとの衝突による強い衝撃を感じて体が浮く感覚があった直後にさらに強い衝撃を全身に感じた。全身の痛みが段々となくなっていくのを感じ自分は死ぬんだろうなを思いながら薄れゆく意識の中、突き飛ばした女子高生は無事だったのか自分の方へ駆け寄っている姿を最期に見ながら意識を失った。

 卓也が目を覚ますとそこは真っ白の空間で目の前には金髪でモデルみたいな体型をしている女性がいた。(これってアニメや小説にあるトラックに轢かれてチート能力として異世界転生して俺TUEEEしながら美少女ハーレムを作ったりする流れでは)

女性は「はぁ」と小さくため息をつきながら卓也に話し始めた。


「質問にはお答えしますが、まずは先に結論から申し上げますがあなたにはアトランタという剣と魔法がある世界に転生してもらいます。本来あなたはまだ死ぬ運命ではないのですが女子高生を助けたあなたの行動は良かったため今回は特例として転生させてあげます。ただ、あなたが思っているようなチート能力などは与えませんが少し他の人より身体能力が高いくらいにはしてあげます。」


「転生などは分かったんですけど、何で能力などは付与していただけないのですか?」


「過去にアトランタには過去数回、魔王という世界を滅ぼしてしまうほどの災厄が発生した際に様々な能力を付与して勇者として異世界に転生してもらったのですが最終的に勇者は全員力に溺れて好き勝手してしまうということがあったため基本的に能力は付与しないようにしています。」


「分かりました。聞きたいことは特には無いのでもう異世界転生しても大丈夫です。」


「それでは、これより、異世界転生の儀を行います。アトランタでは良い人生を送れるように頑張ってください。」


女神がそういうと自分の足元に見たことない模様の魔法陣が発生して意識が無くなった。

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