詩を描く

筆を持たずに

絵を描くのなら

美しい対照を

考えてみる


ほろ苦い闇に

ほの甘いだいだい


紫色の絹のやわ雲と

ソリッドな黄色い月


淋しい兎の目は赤く

温かな兎の毛は白く


ときに同系色


天色あまいろの空の下

地平線へと続くラベンダー


冬の枯茶からちゃに潜む

春の兆しの若葉色


透明に溶けてゆく悲しみ

陽光に溶けてゆく哀しみ


最後に

不穏なアクセントを

少しばかり


月がふたつ並んだ逢魔時おうまがとき

振り返ったオッドアイの黒猫

影のない後姿の人々


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16818093091601469688

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詩を少々 2025 紅瑠璃~kururi @rubylince

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