第二十三回 #書き出し祭り 1-07 きっと月の子供たち 感想

奈良ひさぎ

感想

ダイスロールして感想を書きましたが、追加で依頼をいただいたので、このような形で書きます。


タイトルとあらすじ、本文で感じ取れる世界観は結構好みでした。人類の月への移住計画だとか、地球人類と月人類の対立とか、そういう話はSFではもはやありがちかもしれませんが、両親が月にいると分かってこれからどうするのか、続きが気になるところですね。


タイトルは「きっと月の子供たち」。あらすじや本文から、このタイトルがどういう意味なのかはっきりと感じ取ることはできませんでした。月に人類が住んでいるという設定が明かされていますので、月で生まれた、あるいは月に関連する人間には何らかの特殊能力や秘密があるのかもしれません。主人公が地球で生まれた後に実の親が月へ飛び立ったのか、それとも月で生まれた後、物心がつく前に地球にやってきたのか。もしも後者であれば、月生まれだと知られると不都合な真実が隠されていた、なんて展開もありそうですね。


あらすじは書き出しの内容まで、といったところ。ただ、それは本文で分かるということなので、もう少し先まで提示してほしかった感はあります。それこそ、実は月に関係のある人間は秘密を抱えているんだとか、主人公が月にいるという両親に会いに行ってしまったことで、地球と月とで争いが起こってしまうだとか。2話以降の展開をほのめかす文章があらすじに盛り込まれていれば、もっと期待感を煽れたのではと思います。もしも月に会いに行ってそれで終了だとしたら、陳腐かつあまりテーマ性のない作品になってしまいそうです(私はテーマ性があるかどうかを長編化の基準にするので、こういう表現をしています)。


また、書き出しの最初と最後にあらすじとほぼ同じ文章がつけられていて、読者にこの「少し不思議」な世界観を印象付けたいのはよく分かるのですが、そこまでしなくても十分伝わってるんじゃないかな、と思ったり。


本文で特に書き手の味が出てるな、と感じたのは、主人公と米原さんのやり取りのシーンですね。終わりの見えない、はっきりした答えのない問答をやるあたりは、遠い昔に読んだ記憶を掘り起こせば、どことなく村上春樹っぽいなと感じました。ここは書いていて楽しかったんじゃないかな、と推察します。



まとめると、月に人類が住んでいるという、一見ありふれた設定が上手く作者の世界観で料理されていると感じました。もう少し先の展開までどこかに隠し味で入ってるとより嬉しかったな、と思います。

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第二十三回 #書き出し祭り 1-07 きっと月の子供たち 感想 奈良ひさぎ @RyotoNara

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