シミュレーション仮説
十三岡繁
シミュレーション仮説
「それで次はどういったアバターにしましょうか? まずは性別ですね」
「ああ、それは今回も男がいいです」
「分かりました。容姿はどうしましょうか? やはりイケメンですかね? あ、時代設定が無いとイケメンと言っても色々なので、まずはそこから決めましょうか」
「そうですね。場所はまた日本と決めてますが、アナログとデジタルが切り替わる昭和の終わりくらいからが一番面白かったので今回もそこでお願いします。次は容姿ですよね……イケメンも色々と楽しそうですが、あまりに人生がイージーモードになっても面白くないので、中の下位でお願いします。あ、でも見方によってはかっこよく見えなくもないとかがいいかな」
「えーと、日本の昭和の終わり位で男で個性的な中の下ですね。あとはどういう家庭で生まれる事にしましょうか?」
「資産家とか大金持ちだとそれもまたイージーモード過ぎて面白くないし、家柄が良すぎてもプレッシャーとか色々と面倒な事が多そうなので、ごくごく一般家庭でいいです。長男も責任が重そうだから次男がいいかな」
「……なんか前回と全く同じになりますね。もうリピートでいいんじゃないですか?」
「いえ、同じ人生の繰り返しだと、終わった後に振り返って面白くないのでそこは全く別にしてください」
「結構似たような設定が人気あるんですよね。もう少し時代を先にしませんか? 令和とかもデジタル化が進んでいて面白いでしょう?」
「ああ、そのあたりは便利なようでいて逆に辛いことも多いですからね……そこをやりたい人が少ないから勧めて来るんでしょう?」
これが第二次ベビーブームとその後の少子化の正体だった。
シミュレーション仮説 十三岡繁 @t-architect
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ケツ穴ドライ/十三岡繁
★20 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます